
今回のお客様インタビューは、大東建託株式会社様です。
大東建託様というと、賃貸住宅の建設と管理をされている会社というイメージがあります。
ですが、そんな賃貸住宅の建築や賃貸管理をはじめとした土地活用だけでなく、有料老人ホーム、保育園、物流施設、病院にホテルと、さまざまな暮らしを支える建物の建設を通じたまちづくりも全国で展開されています。
地域コミュニケーション活動として、力を入れられている大東建託様の事業。
活動の一環として、間伐材を活用した木製グッズの制作を私たちと進めさせていただきました。
”木の香りや手ざわりを感じながら、環境について考えるきっかけをつくる取り組み”
大東建託様のグッズは、子どもたちが楽しく遊ぶように、環境について学び考えるきっかけをつくる取り組みとなっています。
インタビューのきっかけとなった木製グッズや、大東建託様が続けてこられた環境や社会への取り組みなど様々にお伺いするなかで、私が感じたことは、賃貸住宅の事業を通じながら、地域社会と環境に寄り添うまちづくりを実現しようとされる思いの強さでした。
そんな地域コミュケーション活動に貢献する間伐材のノベルティグッズを、実際にどのように使っていただき、どんな声が上がっているのかを、大東建託株式会社ブランド推進部ブランド推進課課長薗部 あゆみ様と、浅野 美夏様にお話を伺いしてきました。
お客様インタビュー
大東建託株式会社
ブランド推進部ブランド推進課
課長 薗部あゆみ様
浅野 美夏様
地域とのつながりから生まれたアイデア

「子どもたちに木とふれあう体験を届けたい」
大東建託様では、地域コミュニケーション活動という各地の支店ごとに全国で地域と連携したイベントやワークショップを行われています。
子ども食堂の支援をはじめとして、”地域の課題解決や活性化につなげていく活動”を通じて、地域とのつながりを大切にされてきました。
防災やまちづくりをテーマに設定して取り組みを続けるその活動の中で、もう一歩、「大東建託らしい環境に配慮したまちづくり、ひとづくり」でなにかできないだろうかという思いがたち上がりました。
木と触れ合う体験を通じて、環境の大切さを知ってもらいたい。
その想いで、木の香りが漂い、触れるとざらっとした感触や、ぬくもりを感じながら、作って楽しく学べるグッズを探していたといいます。
環境を“楽しく学ぶ”きっかけづくり
この思いに共感できるような企業を探しているなかで、「間伐材を活用した木製グッズ」が、その想いと重なりました。
これまでにも大東建託様の周年記念などを通じてさまざまな木のグッズを提案してきたこともあって、一度私たちに依頼してみよう思われてお問い合わせに。
環境にやさしいだけではなく、地域とのつながりを感じられるもの。として、家の形をした組み立て型のペンスタンドの制作が決まりました。
もちろん家型のフォルムに込められたものは、大東建託様の事業。家づくりや住まいづくりを象徴する形。
そして見る人に親しみを感じさせ、一目で“暮らし”や“まちづくり”も思いおこさせます。
また「子どもたちが木に色を塗ったり、自由に飾って楽しめるように」という要望も満たすものとなっています。
木の香りからはじまる、学びの体験

「木を大切に使い、循環させることは、私たちの事業そのものにつながっています。」
大東建託様の家づくりでは、木造住宅が全体の90%以上。
木を使うことや、木の循環をすすめることは大東建託様のすすめられる木材調達方針とも重なります。
また、木という素材には、自然の香りや感触がそのまま残っています。
見た目のかわいらしさだけでなく、木を使い、循環を進める取り組みのなかでこどもたちが木に「触れる」「香る」「つくる」といった五感を使った体験が織り交ぜられていることが、この企画の特徴でもあります。
子どもたちがそこに絵を描いたり、色を塗ったりして楽しみながら使うことの自然の学びがあるからこそ、この木を使うことで日本の森が守られる。
ということがいっそう深く思い出として残っていくのではないかと思います。
「“手先の器用な子が減っている”といわれている時代で、このワークショップで木に触れて組み立てたり、ゴムで留めて形を留める。といった普段しない体験は、五感を使って学ぶ良い機会になっていると思います。」
木のグッズを通じて子どもたちが遊びながら“環境を感じる”機会として私たちのグッズが貢献できていることは、とても嬉しいです。
広がる反響と新しいつながり

今回の家型ペンスタンドは、年間およそ5,000個を制作し、大東建託様の全国の支店を通じて保育園などのこどもたちに届けられています。
「地域行事での利用も増えていて、“また使いたい”という声をいただいています。」
配布されたグッズが、こどもたち同士のつながりを生み出す場面もあります。
保育園の低学年の子どもたちが「卒業するお兄さんお姉さんに贈りたい。」と話してくれたそうです。
「そうした話を聞くと、本当にうれしいですね。こういう気持ちが伝わるというのは、活動を続ける励みになります。」
小さな木のアイテムが、学びを超えて想いを伝えるきっかけとなっていました。
“木を使う”という選択に込めた想い
「担当の方が、間伐材の背景や“なぜ木を使うのか”という点を丁寧に説明してくださって。
サイトにも多くの実績事例が掲載されていたので、“この素材でどんな企画になりそうか”をイメージしやすかったんです。」
企画の検討段階では、他社のノベルティ制作も比較されたといいます。
しかし多くは“ノベルティグッズ”の一部として紹介されるもので、会社全体で「木を大切に使う」姿勢を打ち出している事例はありませんでした。
「御社のサイトには、“木を使うことそのものに価値を見出す”という考え方が感じられました。その理念が大東建託の事業姿勢と重なっていました。」
当初は“家型のつみき”も候補に挙がっていましたが、全国支店への配送でコンパクトにたくさん梱包できることや、ワークショップでつかったときのサイズ感、安全性はもちろん、デザインも重視され今回のグッズ制作の決め手となっています。
環境・防災・共助を結ぶ「地域への循環」
大東建託様では、こうした木製グッズの取り組みも「中期経営計画」の一部として位置づけられています。
建築・暮らし・自然の三つの領域で環境配慮を進め、企業全体でのサステナビリティ推進を目指しています。
ZEH賃貸住宅の開発・供給も積極的に実施され、高断熱・高気密化による省エネルギー設計はもちろん。
再生可能エネルギー100%を目指すRE100の取り組みをはじめられていて、将来的には建物を建てる際の木屑や端材をもちいたバイオマス発電なども検討されています。
事業全体を通じた環境負荷の軽減に積極的に取り組まれています。
環境への配慮は、同社のもう一つの重要なテーマである防災・共助の考え方にもつながっています。
それは建て替えなどで取り壊す予定の建物を消防署に提供し、消防士の方が火災や地震などで開かなくなったドアや建具をこじ開けたりする実技訓練などに活用してもらう取り組みにあります。
通常であれば産業廃棄物として”処分される建物を、地域防災に役立てる。”という発想は、地域の防災力を高めるユニークな取り組みとして注目を集め、多くの消防署からお問い合わせもあるといいます。
「地域の“もしも”に備える活動を、これからも地域の皆様と一緒に続けていきたいと考えています。」
環境と防災。一見異なる分野のようですが、どちらも「社会に、暮らしに、なくてはならない企業」という理念に基づいた木の無駄のない有効活用といえます。
木を使い、ふれあいやエネルギーを生み、地域も守る。
そのすべてが“循環”としてつながり、目標を達成するために具体的な行動に移されている企業姿勢には深い共感を抱きました。
“自分たちだからできるサスティナブル”へ
「“やらなければならないSDGs”ではなく、“自分たちだからできるサスティナブル”を追求したいと考えています。」
この数年で、世界的にSDGsをはじめESG経営と、環境や社会への配慮は企業経営に欠かせないものになってきています。
大東建託様では、そういった世界や市場のニーズとしてSDGsやESGがあるから”仕方なくやる”という姿勢ではなく、社会貢献と企業活動の両立を前提に、事業として継続して貢献されていくかたちをつくられています。
いうなれば、“環境配慮のその先にある、環境や社会と調和する姿勢”を、会社として大切にされています。
たとえば、賃貸住宅や施設の建設で発生するエネルギーなどに自然エネルギーをつかうなどだけでなく、国産木材の活用で森林整備につながることや、解体の建物を防災に活用されたり、そこに暮らす人々や地域の子どもたちが“安全に、心豊かに過ごせる環境”をつくること。
大東建託様にとってはまぎれもなく事業を通じた「まちづくり」の一部となっています。
子ども食堂や、私たちの木のグッズをつかった保育園のワークショップなどは、活動の中で人と人がつながり、地域のふれあいやコミュニティが生まれていきます。
この企業姿勢は、SDGsやESGが広まってきた社会にあって多くの企業が、目指す姿と言っても過言ではないと思います。
環境、教育、防災と、一見異なる取り組みのように見えても、根底には共通する“地域の人々とともに、より良い暮らしをつくっていく”想いがあります。
大東建託様の目指すサスティナブルが広まった社会は、やさしい笑顔があふれる街。
そこでは、木のぬくもりのように、人と人とのつながりがめぐり、静かに根づいていくのだと思います。
まとめ
大東建託様のインタビュー取材でした。
インタビューを通じて感じたのは、“環境配慮”を語るときに理念でも義務でもなく、人と人、人と社会との関係の延長として捉えていることでした。
ワークショップで地域の子どもたちが木に触れ、笑顔を見せる。その一場面を、ほんの少しでも未来につなげようとする姿勢と、家づくりのように、全ての取り組みをしっかりと積み重ねていくことこそが、大東建託様のサスティナブルな“まちづくり”の原点なのだと思います。
社会のなかでSDGsや環境配慮が当たり前に語られるようになったいま、大東建託様が取り組む“自分たちらしいサスティナブル”。
その木の香りに包まれたその活動には、企業という枠をこえて、“人が人を思うこと”の確かなあたたかさがありました。
私たちのグッズも、その向こうに、人と人、地域と企業のつながりが見える。
「木を使う」という小さな選択が、地域のやさしいぬくもりの循環を生む——
そんなことを改めて感じさせてくれる取材でした。
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