「SDGsなんて意味がない。」はい、SDGsは、強制力があるわけでも、罰則があるわけでもない各自が任意で行うもの。そして内容もわりかしふわっとしていることもあるのに2030年までに達成するゴールと「できなそうなゴールに君は、何をどーこーしようというの?」と、やったところで意味がない。そもそも存在が怪しい。SDGsなんて騙されている。という声や意見があるのは事実です。
たしかに、国連が定めたゴールなので強制力はほぼありません。任意のものでそれぞれが行動をしたり、しなかったりというものです。
また、日本の場合は産業に炭素を発生させる産業が多いので、SDGsに参画することは企業への負荷になりがちなものがある。ということもあって、否定的だったり懐疑的な声につながっているようです。
こちらのコラムを書いていますコラム担当なかのひと視点で、「SDGsなんて意味がないのか?」に対していろんなSDGs関連のサイトでの回答にありがちな「ブランドイメージになります。」などの主観的で抽象的な意見ではなく、前例や類似例、そのほか事実を取り上げて、SDGsをやることに意味があるのか?ないのか?をまとめさせていただいております。
ぜひ最後までお読みいただければと思います。
SDGsの前例:MDGsの達成度
さて、SDGsの前例といわれるMDGsというものはご存知でしょうか?2000年9月に国連にて採択された開発に関わる達成目標で、2015年までに8つのゴールを達成することを目標に提示されたものです。
こちらのMDGs(ミレニアル デベロップメント ゴールズ)ですが、案外とその達成度が高かったのです。
例えば、1990年ごろ環境問題の一丁目一番地といえばオゾン層破壊でした。このオゾン層の破壊につながるオゾンホール拡大の話というのは、コラム担当なかのひとがそれこそこどものころにとってもよく聞いた環境関連のニューストピックでした。
冷蔵庫やエアコンに用いられる冷媒のフロンガスがこのオゾン層を破壊しておおきな穴があいてしまい、宇宙や太陽からの放射線がそのまま地球に降り注ぐ状況がつづき、このまま放置していると結構まずい。というような感じだったのを記憶しています。
このオゾン層の破壊については、MDGsで示されていたゴールの1つでした。
さて、オゾン層の破壊はどうなった?といいますと、問題はほぼ解決にむかい今世紀半ばにはオゾン層はかつての健全なころの状況へ回復する見通しが立っています。
これに限らず、MDGsではかなり高い達成がなされています。そこで取りこぼされた温室効果ガス関連のゴールを引き継いで2015年にできたのがSDGsということです。
SDGsはこのMDGsにくらべて一般的な認知がなされたために、「意味がない」「達成できない」という声が大きなっているということもあるかと思います。
とはいえ、ですよ前例があってもさすがにSDGsは別物。MDGsのハードルとは訳が違う。と思われる方も多いかと思います。大丈夫です。私もちょっぴりそう思います。
なので、SDGsとMDGsのなにがちがうのか、「MDGsとは違うのだよ。MDGsとは」とSDGsの「こ、こいつ、違うぞ!MDGsなんかとビジネスでも資金繰りでも!」なポイントをいくつかまとめました。
こちらをまとめていくと、「SDGs?当たらなければどうということはない。」という姿勢でいるとビジネスシーンでのリスクや不利になり得る可能性もいくつか見つかってきました。
SDGsに対応していないことのビジネス上のリスク
先にも書きましたが、SDGs関連サイトなどで「SDGsは意味がない?」に対してのQ&Aのアンサーでありがちな答えが「企業のブランドイメージが向上します。」「採用シーンで新卒のZ世代はSDGsへの関心が高いので人材採用で有利になります。」といった回答がとても多いです。
なので、そのアンサーは採用しません。
たしかに、ブランドイメージの向上にも採用にもきっといいと思います。でも、ちょっと主観的というか、抽象的だったり、恣意的な要素がある気がしていいて、新卒採用ではSDGsへの質疑が多い。といったデータがあったりするのですが、それも企業への質疑でそういうことを聞きましょう的な就職指導などがあったりするからかもしれません。(ただ、優秀な新卒学生の一部でそういうSDGsに貢献できる事業を探しているのはあるようですが…)
ここでは、もっと現実的なビジネスへのリスクや不利についてまとめたいと思います。
さて、リスクや不利なポイントを上げる前に、ESGという言葉はご存知でしょうか?
ESGは、SDGsに比べると認知度は低く、日本では大企業か投資機関のものという認識になっています。
ESGについて詳しくみていくと、その企業の経営が環境と社会へむけてサスティナブルであるかどうかを投資機関が評価を行い、投資や出資の価値があるかどうかを決めるようなものとなっています。
そのESGの内容は、ほぼSDGsと同じです。
なので、SDGsなんて意味がない。ということはESGなんて意味がない。ということになり、投資や出資の面で投資機関から厳しい評価をうけることになります。
ESGの規模や詳細については、コラム「ESG関連投資が世界の4割に拡大」
https://eco-pro.ne.jp/columns/esg-sdgs-start/
「見せてもらおうか、SDGsに近いESGの性能とやらを…」な観点でさらに気をつけたいのが、ESGはサプライチェーンまでがその評価対象になっているということでESG経営をされている大企業だけに収まるものではない。ということです。
ESG経営をされている企業の生産ラインへ原材料や素材、材料、供給していたり、部品を加工していたり、部分的な組み立てに携わっていたりといった関連会社や下請け会社にも影響が及びます。
なので、ESG経営を促進している企業ではサプライチェーンに関わる各企業へ「ESGガイドライン」を通知してその準拠を求めています。
「中小企業に調査なんてこないから意味ないで!」という声があがりそうなので、ある例を提示しますと、、、
世界的なブランドが環境と人権にまずい下請け先へ製造委託をおこなってしまいました。それが明るみになって世界的な不買運動に発展。数年にわたり数兆円規模の損失になったといいます。
この問題発覚のきっかけは、現地の下請け企業に関わる人からの問題提起がネットに投稿がされたことからです。
とはいえ、世界的なブランドだから問題が大きくて明るみになったんだろう?と思われるかもしれません。
その世界的企業が問題として取り上げられたのは、ここ数年ではなく10年くらい前のことです。
ここ数年のことでは、全国的に知名度が0に近い地方の中小企業の不祥事であってもSNSに問題が提起され、ネットを中心に火が大きくなりネットニュースとして取り上げられて、大手メディアにも取り上げられて対応に追われる事例が増えています。
また、中小企業が調査なんてこないからと、環境や人権に関わる問題を隠していて元請企業がESG関連の優遇をうけていることが発覚すると、偽SDGs、ESGウォッシュと評価されて大きな問題になり得ます。
SDGsなんて、という姿勢だとこれからもっときびしくなっていくと予測されます。
まとめ
SDGsなんて意味がない?をテーマにしました。
ちなみに世界的な観点で見ていくと欧州では2022年2月に環境・人権デューデリジェンスと呼ばれる企業経営への指針のようなものが提示されてちょっとした話題になっています。
環境・人権DDはESGよりもより深く、広く、環境や人権に対しての姿勢をあきらかにして公式発表をしなさい。という経営義務のようなもので罰則規定なんかも明記されています。
まだ、環境・人権DDは欧州にて経営している売上規模の大きな企業のものになっていますが、ESGにもあったようなサプライチェーンなどの波及がさらに一歩深いバリューチェーンまでがその対象になるようです。
また、日本の話では、中小企業が資金繰りで頼りにされる地方銀行にて、ESG的な評価観点を取り入れているところが増えてきていることもあります。
SDGs?あんなもの飾りです。お偉い方にはそれが分からんのです。とするかどうかは、ESGも含んで検討をされるのをおすすめいたします。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。
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