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ミズノ株式会社様 オーダーメイドバットのアップサイクル実績 大阪・関西万博タンブラー

「2050年までに排出される炭素を実質ゼロにする。」このミッション実現のために多くの企業がサスティナブルの取り組みを進めています。
弊社へのお問い合わせでも「SDGsの高まりを受けて…」「ESG経営の観点から…」と2015年から始まったSDGsの大きな流れの中でお問い合わせをいただくことが増えています。

世界的な環境意識の高まりの以前から企業の責任として環境への意識をもち、具体的な取り組みを始めている企業も存在します。1990年ごろの環境問題といえばオゾン層の破壊を食い止めるためにフロンガス対策を行うことが中心で、いまもっとも大きな問題となっている気候変動、温室効果ガスについてはそこまで大きくは取り上げれれてはいませんでした。

今回のお客様インタビューは、1991年から30年以上に渡って「Crew21」と呼ばれる地球環境保全活動に力を入れていますミズノ株式会社様です。

ミズノ株式会社様でオーダーメイドされる野球バットは木という生きている材料をつかっていることもあり、なかには製品基準に満たなかったりして廃棄になってしまうものがあります。また加工時に発生する木屑といったこれまでは廃棄・捨ててしまう資材の有効活用として弊社のKitto+木粉のタンブラーを採用いただきました。こちらの取り組みは、2025大阪・関西万博公式ライセンス商品にもなりました。

今回は、ミズノ株式会社グローバルイクイップメントプロダクト部より浅野麻美様にインタビューに協力いただきました。

インタビュー
ミズノ株式会社
グローバルイクイップメントプロダクト部
LH・WB・SF企画課
浅野麻美様

捨ててしまう廃棄バットをどうにかしよう。

「企業としてサスティナブルになる取り組みを進めている中で、廃棄となってしまうバットがかなりあるのでそれからどうにかしよう。」

数年前、圧倒的な活躍をみせた某在京球団が誇る左の強打者をはじめとしたプロ野球選手を含めてアンバサダー契約をされている方が20-30人。

社会人野球まで広げるとより多くの選手から信頼を受け、一本一本と材料から見極めてクラフトマンが木を丁寧に削り出してつくりあげるミズノ様のオーダーメイドバット。

そんなバットに用いるのは木という生きている材料ということもあって、いざ加工をはじめたら製品基準や選手の求める基準に満たなかったりして廃棄にしないといけないものが一定の割合で出てしまいます。

その数は、多い時で数千本にも。

ミズノ様では、そんな基準に満たなかったバットをそのまま廃棄物として処分してしまうのではなく、有効に活用したい。と考えていました。

これまでもバットの有効活用については、アクセサリーをつくった事例で、バットを小さく削り出して「一球入魂」「強肩強打」といった言葉をいれたものを作成。
高校球児たちがバッグにつけたりして好評といいます。

「こういった廃棄バットのような資材の有効活用の取り組みについては、ここ1,2年でさらに加速させました。」

きっかけは世界的な環境配慮の流れのきっかけとなったSDGsをはじめ、2021年ごろに世界の金融市場の40%を超えて話題となった企業の環境や社会への取り組みや事業を評価して投資・出資をするESG、2050年までに排出される炭素を実質ゼロにするカーボンニュートラルと、企業として「環境や社会への取り組みを前進させよう。」というアクションプランのひとつとして捉えて、とのこと。

「いまはプロジェクトを組んで10数名でアイディア出しをおこない”保管されているバットからどうにかしよう”と特設チームを組んで動き始めています。」

捨ててしまう再生資材なんだから…

世の中に広まっているサスティナブル商品では、廃棄となる部材や捨ててしまう資材をつかう。ということで、どうしても”原材料は0で普通につくるよりも安く作れるんでしょう?”という感覚があります。

ミズノ様でも、「安くできるんでしょう?」と誤解されてしまうことがあるといいます。

バットの有効活用も、原材料なしで本当は捨ててしまう木をつかうため、安くつくれるのではないか?と感じてしまいます。どうして安くできないのか?についてですが、

例えばサスティナブルをテーマにしたグッズでよく見かける海洋プラスチックのサスティナブルグッズの事例では、そもそも海に浮かぶプラスチックの回収に安くないコストがかかります。

回収だけでなく再利用ができるように余計な成分が入らないようにプラスチックとそれ以外の資材とを分ける選別が必要だったり、混ざってしまっている場合には溶かしてから分離させたりと、再資源化のための手間は結構かかります。

また、同じようによく見かけるコーヒーを抽出したあとの廃棄豆をプラスチックなどに混ぜてつくるサスティナブルグッズについても、コーヒー豆をきれいに分けて保管していないといけなかったり、回収後にもカビが生えないように適切な状態で乾燥保存させたり、プラスチックに混ぜたときに偏ったりして品質に影響しない大きさのパウダー状にとても細かく砕いたり。

再生資源として使えるようにするまでに普通の工程では発生しない”捨ててしまうものを資材として使えるようにするための作業”がどうしても必要になります。

今回の野球バット有効活用についても同じような”使えるようにするための作業”が発生します。
まず木に塗料や接着剤などが塗られていたりすれば、混ざらないようにまずは落とす必要があります。

さらにバットを加工するにあたってはもうひとつの問題が存在します。それはバットの丸い形状。

通常、木工加工所が木を加工する時は、板か角材のように平らな面がないとそもそも加工ができません。
丸いバットは、木工加工ができるように一度板状にする必要があります。

板状にするために、複雑な形となっているバットの持ち手を含め細い部分は切り落とします。
次に丸みを落とし、グッズにできるサイズの板材へとスライスして切り出します。

今回、つくらせていただいたのは木を切り出したおがくずなども含めてグッズにすることができる木のサスティナブルタンブラーKitto+です。

弊社にて製造している場合は、ノベルティグッズや記念品など木製品をつくる上でどうしても発生するおがくずや木屑をまぜてつくっています。

ミズノ様のタンブラーでは、クラフトマンがオーダーメイドのバットをつくる際に発生する削りかすを、このタンブラーに混ぜるエコな資材として回収。木粉のタンブラーにしています。ちなみに、あの有名選手のバット加工で発生した木屑も含んでいるかも…とのことです。

Kitto+に期待すること

今回のグッズは大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)にあわせてミズノ様のECサイト「ミズノオウンドEC」での販売する商品として製作させていただきました。
公式キャラクターのミャクミャクをモチーフに、タンブラーの形状に合わせてデザインがはっきりと表現できるシルクスクリーンにて印刷をしています。

「今回は1000個用意していて、ミズノだからこそできるサスティナブルの取り組みを知っていただくきっかけになるとうれしいですね。」

これまでいろんな企業様にインタビューをさせていただいてきたなかで、サスティナブルな取り組みは、社外だけでなく社内にもそういった取り組みをしていることを知っていただくことがとても大事になるとのことです。

環境や社会にいいことをしていても、それを知っていただけるかどうかでその取り組みが持つ力や意味も大きく変わっていきます。

今回のミズノ様の野球バット有効活用は、サスティナブルなだけでなく、ミズノ様だからこそ取り組めるユニークなものとなっています。

このタンブラー、元は野球のバットなんだよ。”と人から人へ伝わっていく驚きもある環境と社会へやさしいソーシャルグッドなアイテムになっていると私たちも確信しています。

まとめ

ミズノ株式会社様 廃棄してしまう野球バットの有効活用としてのサスティナブルタンブラー事例でした。
大阪・関西万博の会場はミズノ様の本社からほど近く「本社から今の様子も観えますよ。」とのことでした。

なお、ミズノ様にて行ってきたバットの有効活用では大阪豊中市にて子供向けのイベントにて、今回と同じように廃棄してしまうバットに子供達が塗り絵・ペイントをして遊んでもらい。クラフトマンがその場で木からバットを削り出す。というイベントを実施したことがあるといいます。

その際に感じたことで「こどもたちは、クラフトマンのような仕事があるということを知らなかったみたいで、こういう子供たちの夢の間口を広げる。そんなお手伝いができたらいいな。」と企業の商品やサービスとしてだけでなく、サスティナブルなことでもこどもたちと繋がっていけるように。そんな未来にとても共感してしまったインタビューでした。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

【ショールームのご案内】

フロンティアジャパンにて作成してきたノベルティアイテム、記念品はもちろん、最新商品や大型アイテムなど実績サンプルを多数展示してます。

木製品特有の年月とともに変わる風合い、味わい、木の種類による違いなどお手に触れて確かめられます。

なお、見学をご希望の場合は、お問い合わせフォームよりご予約いただけますと幸いです。

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