2023年10月からあたしく法規制がされるものとして、ステルスマーケティングへの法規制が本格的にはじまることになります。
通称ステマ規制法、ステマ禁止法と呼ばれていて、本来は広告なのに広告といった表示をしないで消費者に誤認させるものをステマ、ステルスマーケティングといいます。
こちらを書いていますSDGsになるノベルティグッズ専門サイトWood+のコラム担当なかのひと、今年の3月ごろにより良い睡眠のために睡眠用イヤホンなるものをあれこれ検討していました。
そこで、「睡眠 イヤホン」を検索しつついくつかピックアップ。そのなかでデザイン、価格、機能などから2つのアイテムに絞って購入を検討しました。
仮に、一つをM社の睡眠イヤホン もう一つをA社の睡眠イヤホンとします。
どちらも価格も1 万円~2万円台とそこそこ高くいやはや、1 万円前後のお買い物となると、お財布へのダメージもまぁまぁあるので、お買い物ブロックがバッチバチに働くなかのひと。まずは購入するECサイトで2つの口コミ・レビューをチェック。このチェックでは、M社のほうが口コミ件数も多く、価格もA社よりも控えめ、これはなかなかよい印象。
とはいえ、この程度でお買い物ブロックが外れるかと言われると、まだまだバチバチです。
次は、Youtube などで実際に使っているガジェット系YouTuber さんの声をいくつかピックアップ。こちらもM社のものは悪くない印象があり「買うかぁ~」と心がかなり傾きました。
さらにM社のほうは期間限定クーポンが出てきて「M社ッやるじゃあないか!」と、いざ購入しますか。と思ったのですが、「いや、ちょっと待てよ……」と疑ったのが今日のテーマでもあるステマの存在。
口コミチェックをしてくれる某レビューチェックツールでM社の該当アイテムを調べると、これが真っ赤か。
M社の商品はおよそ7,8割くらいのレビューがサクラ(他の商品も真っ赤かでした。)。真実の口コミはさよどよくなくやめておこう。と思いなおして、第二候補であったA社のほうのレビューチェックをすると、こちらはサクラレビューはなくガチの口コミ、お客様の声。ということでA社のものを購入する運びになりました。おかげで心身ともに快適な安眠ライフをおくれています。
今回は、そんなステマ規制法で、思いの外いろんな激変がおきそうなインターネット広告、プロモーション関連の世界で、これからのマーケティング、販促、ノベルティがどうなっていくのか?について書いていきます。
ステマが企業にもたらすもの
いや、もう結論からドカンと書いていきますと、ステマ規制法に限らず世界はどんどんホワイト化していて、いかにお客様に「この会社っていいよね。この商品でよかった」と共感していただけるかどうかが販促やノベルティの鍵になると思います。
そしてステマに話を戻しますと、「広告」とか「PR」とかって書かれていないプロモーションはすくなくとも20%も売り上げ向上に影響するといわれています。また、ECサイトで重要な消費動向、購買動機になるランキングについても、それが「広告」「PR」という表記がされていないもので20位もあがり、売り上げはそれに応じて何倍にもなると言われています。こういった背景から、広告主・企業側がステマをしてくれ。と依頼するケースが多いようです。
引用:消費者庁「ステルスマーケティングに関する検討会 報告書」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/meeting_materials/review_meeting_005/assets/representation_cms216_221228_03.pdf
ここ数年、口コミはかなり消費者の購買心理に影響があるため、某超絶大手のECサイトではサクラレビューが大変な問題となっています。自分も購入するときには、まずレビューやいろんなYouTube やSNSなどの声をチェック、次にそのレビューがサクラなどではないかのリファレンスチェックを行ってから購入することにしています。
とはいえ、まだまだそういったチェックをしないで購入してしまう人、インフルエンサーや芸能人が言っていたから大丈夫と買ってしまう人、健康食品や美容商材などを使用していないのに使用して結果が出たかのようなニセモノの体験談を信用してしまって購入してしまう人も結構多いです。
消費者庁が令和4年に発表した「ステルスマーケティングに関する検討会 報告書」を読むと、ステマに対して「いいものをつくっているんだからステマしても問題ない」というような誤った認識でいる広告主(広告を依頼する企業)も結構多いようです。
しかしながら、一消費者としての声をたからかにぶっちゃけると「ステマをするような会社の商品はどんなに良くても、理念があっても、真摯にやっていると言っても、サクラやステマをするような会社の商品は買いたくない。」と思ってしまいます。ステマをすると、バレていないときは売り上げが上がるかもしれません。ですが、バレたときには、もう企業のイメージは相当悪くなります。
思い返すと、いまから10年前にテレビなどで活躍されていた芸能人がステマに関わっていて大炎上した方々や広告主の企業(もう倒産されているようですが)は、いまでもそのイメージがつきまといます。
ちなみに今回のステマ規制でもっとも真新しい項目は、広告主・企業側がその罪に問われる。というものです。
ステマが企業にもたらすものは、一瞬の売り上げを引き換えにブランドイメージの失墜だけでなく、2023年10月にはじまるステマ規制法が始まってからは、ステマでは広告主・企業側も法律で裁かれることがもたらされるものになります。
ステマ規制法で対象になるもの
そもそも、ステマをざっくりと説明すると「お金を払ったり、物をあげたり」といった行為があって、芸能人やブロガー、インフルエンサーに「SNSやネットにあげて」と第三者の口コミ、レビューや記事などで見たり聞いたり、読んだりしている消費者に「いいな」と思わせる行為です。
いや、書いててわからんですね。
ざっくりまとめで言っちゃうと、お金をはらって企業や誰かになにかしらの商品やサービスを紹介してもらうときは「広告」とわかるようにしなさいね。というものです。
さて、そんなステマ規制法は、2023年10月からということで判例や前例がないのですが「こういったもの、こういった行為がステマにあたるんじゃあないかッ?」と言われている対象をいくつかあげます。
・「インフルエンサーに物をプレゼントする代わりに、SNSで紹介して」といったインフルエンサー広告
この事例が一番わかりやすいですね。いわゆるギフティングです。
お金を払ったり、物をプレゼントして、インフルエンサーさんや芸能人のSNSなどで「これよかった。」と発信してもらうプロモーション手法です。もちろん「PR」「広告」とわかるようにやっていればステマではありませんし、いつ、どうやってあげてくれ。といった指示がなく、受け取った側の自由意志であればステマになりません。ただ、企業プロモーションの場合、いつ、どの媒体で、こういうふうにあげてくれ。といった指示が発生するものが多いです。この場合「案件」「広告」「PR」を入れないといけなくなる可能性が高いです。
なお。すでにインフルエンサー関連の広告をされている広告代理店などでは、全ての案件で「広告」「PR」表記を入れる。というところが多いようです。
こちらは、うっかりと個人的な繋がりや、広告代理店などを飛ばしてSNSアカウントを運用されているインフルエンサーさんに依頼したりで、ステマ規制法に触れてしまう。というケースは多くなりそうです。
・「口コミを書いてくれたら〇〇プレゼント」
こちらは、ECサイトなどで物を買ったあとでレビューを書いてくれたらクーポンプレゼントを含め、飲食店などでもGoogle MAPの口コミに書いてくれたら次回スイーツ無料、インスタグラムやTwitter に写真付き投稿してくれたらドリンク無料などもその範囲となる可能性があるようです。また、書籍などでも献本と言われる本を友人や知人や関連会社の方にプレゼントして口コミを書いてといったアクションも対象になるようです。結構厳しい!
・「競合相手の悪レビュー」
いやはや、世も末ですがマーケティングの界隈ではたまに耳にします。競合相手に悪いレビューをつけるネガティヴマーケティングの手法。
こちらも、依頼した場合にはステマ規制法の対象となります。(というか、業務妨害ですよね……)
・雑誌やメディアでの有料記事でのプロモーション
こちらもたまに会社のコーポレートサイトなどのお問い合わせから営業メールが届きます。「雑誌やメディアで御社の商材を取材させてください。云々、つきましては料金は…」というお問い合わせがこれにあたります。こちらは本当の取材として、金銭や物のやりとりがなく、かつ、どういう風に書いてくれ、といった広告主側の依頼などはなしであればメディア取材となりますが、有料でその枠を買ったり、取材費が発生したりするとプロモーションや広告と書かないとステマになるようです。無料で取材を申し込んで、あとから有料に誘導してもステマ規制の対象になりそうです。
と、ステマ規制法で対象になりそうな物をあげました。いろいろあってちょっと複雑ですが、いずれにしてもお金をはらったり、物をあげたり、割引をしたりで、だれかしら第三者にプロモーションや口コミをしてもらうときは広告とわかるようにしないとこの対象になる。と思っておけば大丈夫そうです。
これからのマーケティングやノベルティはどうなる?
世界的には、かなり以前から問題視されていて法規制もされている「ステルスマーケティング・ステマ」です。
「ステマなんてそうそうバレないだろう。」という認識でいる場合は、もう考えをあらためないと結構まずいですよ。という感じですし、「それってステマですよ」と指摘されてはじめて気づくというケースもけっこう多くなりそうです。
なんにせよですが、マーケティングはかねてからいろんな偽証といいますか、お金を出せばだれでも取れるような賞を誇張して「〇〇賞受賞」といった受賞や認証マーケティングをはじめ、〇〇ランキング1 位といった調査データを強引に一位になるように操作して優良誤認に結びつけるランキング1 位マーケティングなど、売れてなんぼと消費者を欺くような行為に手を染める会社や人もまぁまぁ多い業界です。
そんななかで、世界的なマーケティングの権威「フィリップ・コトラー」は、これからの企業に求められるのは「信用・信頼」である。と彼の書籍で発信しています。
そして、信用や信頼とともに商品の購買動機にされていくのが「共感・感動」といった人らしさにあるといいます。
Chat GPTをはじめとしてもう日常生活に知らず知らずに組み込まれているAI やデータ分析を用いると、ステマやフェイクの口コミなどを監視するようなプログラム、アルゴリズムはそう遠からずできると思います。
マーケティングやマーケッター、ホームページの担当者には、その集客の手法に透明性や真摯さをベースにしていないと、AI とか分析でバレる時代になりつつあります。
先の睡眠用イヤホンでもレビューチェックツールなどがありますし。
世界は、AI とデータ分析の力に個人のSNS発信が加わってどんどんホワイト化してきています。
バレまいと手を染めた悪事が、さくっと表に出る時代。
なら、もう、そういう騙したり欺いたり、データを盛ったり偏らせたりしてマーケティングや集客をするのはやめて、真面目に、企業のパーパス(理念)をもとに、真摯に経営して、共感や感動で応援される企業になる。そういうのがこれからのマーケティングやノベルティにも求められるとコラム担当なかのひとは思います。
SDGsやESGにも繋がる本質が求められる。
いやはや、弊社が間伐材の木製品をあつかっていて、ノベルティやOEM、記念品などでつかっていただくだけで日本で問題になっている森をまもることになる。というわけではないですが(手前味噌バリバリ)信用信頼がこれからのマーケティングはもちろん、企業の経営の大きな資源になりつつある。いや、それはもうパーパス経営といってもいいし。SDGsやESG経営とも言えるわけです。
SDGsは、毎日のようにテレビなどで流れてきて、日本人なら一度は見聞きしたことがある。というレベルの認知度だと思います。
ただ、具体的になにかアクションを継続的に行っているか?と言われると身につまされる。という企業の担当者さんも多いのではないか?と思います。
SDGsは基本的には、任意の取り組みになっていて「こういうことやっています!」という自己申告レベルのものです。
ESGは、もっときびしくて脱炭素のアクションを数値化したり、ジェンダー的な面では役職・役員人事などの情報を公開して、環境と社会に配慮して経営を行っていくものです。
SDGsやESG経営を志しています!と表向きはいいながら、実態が伴っていないとSDGsウォッシュ、ホワイトウォッシュとされ、ESG経営では株価に悪影響がおよびます。
信用・信頼のために、真摯にやることを積み重ねる。
当たり前と言われれば当たり前のことですが、なかなかできないことでもあります。
ホワイト化して、ステマなども規制されていくこれからの時代には、マーケティングもノベルティも真摯さ真面目さを元に「お客様に共感していただく」ブランディングにちかい感動マーケティングや共感型のノベルティが求められていきます。
という完全に手前味噌フルな内容で締めたいと思います。
まとめ
ステマ規制法で、販促やノベルティはどうなる?でした。
一点だけ書き盛れていましたが、こちらのステマ規制法は「過去に遡って規制の対象になる。」というのもかなりこわい点です。
なお結論としては、ステマなどは、AI やデータ分析で遠からず自動で摘発されるような仕組みが作られたりして、変なことをすれば表に出てしまう時代だから真面目にやっていこう!という感じです。
また、SNSなどで動画や音声付きで告発されたりで企業に限らず人も、不正などをしているとすぐに明るみに出るホワイト化が進んできています。
販促、集客、マーケティングもこのホワイト化に合わせて、まじめをベースにしていく時代になってきています。
これまで、ステマではないにせよ、SNSマーケティングやインフルエンサーマーケティングをされていた方は、ちょっと気をつけてステマ規制法にうっかり引っかからないようにしていく注意(リテラシー)が求められます。
最後の最後に、私たちのコラムをいつもお読みの方は、理解いただけていることと思いますが復習もかねて振り返っていきます。
つかうだけでSDGsになるノベルティのWood+では、間伐材を中心にして国産の木材をつかってノベルティグッズや記念品などをつくります。
日本の森(人工林や里山の森)では、これまでは林業などの人の手が入ってきましたが、その人の手が高齢化や過疎化で失われ森が荒れてきています。
その影響は大きくあって、木を太くまっすぐ育てるために、木を間引いたり、枝を落として森のなかに太陽の光や風が抜けたりする適切な管理がなくなったため、森のなかは木々が密集しすぎて枝も鬱蒼として、木は細く脆くなってきています。
細く脆い木ばかりになった森では、これまでは耐えられたような雨風に耐えられず土砂崩れの原因になったり、生き物も生態系や多様性が乱れてたべるものにこまって大きな街におりてきてニュースになったりしています。
私たちの木製品をノベルティグッズや記念品としてつかっていただけるとこの森に人の手
を取り戻す手助けができるようになります。
そのほかにも、いろんなあれこれとやっています。
くわしく知りたいという方は、お問い合わせください。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。
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