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AI企業はなぜ“木のノベルティ”を持つべきなのか?技術で差がつかない時代の新しい選ばれ方

AI企業に、木のノベルティがいい。といわれると正直、「なぜ?木??」と思いますよね。

「技術で勝負する企業にとって、そんなものは本質ではない。」そう感じることは、自然なことです。

ただ、その違和感こそが、今のAI企業が抱えている課題そのものかもしれません。また、タイトルからこう思う方もいるはずです。

「技術で差がつかない?そんなわけがない。」

もちろん、技術の重要性がなくなるわけではありません。むしろ前提として不可欠なものです。ただ構造としてみて行った場合、実際、AIに限らずこうしたサービスは

・圧倒的な開発力
・優秀な人材
・スピード

によって大きく差がつく傾向があります。

これを支える、VC投資においてシリーズA、B、Cといった資金調達で、他社を大きく上回る投資を受けられるのであれば、開発体制そのものが競争優位になります。

それらが用意できて他社を圧倒できるのであれば、技術で勝つことは十分に可能です。ですが、現実にはどうでしょうか。それが可能なのは、ほんの一部の限られた企業にしか当てはまらないと思います。

AIの進化は速く、「すごい技術」ほど驚くほど短い時間でコモディティ化してきています。そしてこの流れは、今後さらに加速していくはずです。

技術が価値であり続ける時間は、指数関数的というと少し大仰かもしれませんが、確実に短くなっているように思います。

では、技術で差がつかない時代に、AI企業は何で選ばれるのでしょうか。そんなこんなで、AI企業に向けて偉そうに講釈を垂れるという暴挙に挑むのは、コラム担当なかのひと1号です。

技術で差がつかない時代とは

AIは、確実に進化しています。

2022年ごろに、イギリスかどこかのAIテックが開発したトレンド予測分析AIに日本の商社が何十億円出資したなどのニュースが、当時けっこう騒がれていたことを覚えています。

かつては、こういった需要予測やトレンド分析といった分野で、数十億円規模の投資が集まり、「これが未来だ」と言われたりしていた時期もありました。

しかし現在、それらの技術の多くは、特別なものではなくなりつつあります。

すこし復習がてら振り返りますと、

2020年ごろは、このころはまだ世にAIがでるぞ、でるぞ!といわれていても、まだChatGPTもGeminiもなく、なんかAIすごいらしい。というのが一般的なお客様側の認識でした。

当時は、ビッグデータ活用がまだ言われていたあたりからの流れで、AI Readyな人が足らんとされていて、AI Readyな人に俺はなる!と、WEBスクールなどでPython入門を学ぶひとがとても多かった印象の時代。

(え?私も??いや、私は、、、そうです!私が、そのAI Readyな人に、俺はなる!の意識高い系です。ベストセラーコードとかも読みましたよ。ええ。)

そして、2022,23年ごろになって、ChatGPTがあらわれてきて(当時はもうハレーションだらけで、逆にすごかったですが……)先の予測系のAIや優秀な教師データを集められたディープテックとかでいままでにない世界が垣間見えてきて色んな開発が進み、これが未来をつくるゲームチェンジになるかもと、一般の方も思いはじめた時代。

そして2025年、いっきに飛びます。チャッピーもGeminiも性能がすごいことになり、先の需要予測AIについては、精度が多少わるくてもOK,あとは走りながらあたりをつけるから、というレベルであれば月3,000円くらいで代替することが可能になってきました。

もちろん、だからといって先のトレンド予測AIなどが不要というわけではなく、特定の例えばD2Cの商品開発でSNSで発信されているワードを共起分析したり、口コミなどから顕在化していない顧客のニーズを見つけて、確度高く、かつスピード感を持って開発をしていく。となると生成AIなどではなく、先のトレンドAIとかのほうがよい。という感じになっています。

ただ、傾向を掴めればOK!流れの向きだけ、競合商品の口コミを分析するなどは、定性解析レベルなら全然できるようになっています。

AIは今や“特別な技術”ではなく、スタートラインに立つための前提になっています。

VCのSeries A / B 通過ハードルにみる基準の変化

AIが前提になってきていることにあわせて、AIスタートアップ企業の数も確実に増えています。

しかし同時に、スタートアップが成功できるかどうかの鍵のひとつVC投資の資金は一部の企業に集中していて、その競争はいっそう激しくなっています。

例えば、スタートアップの評価のひとつともされるVCからの投資評価についてみてみると

Series A からBへ移行に求められるARR(年間経常収益)について

2021〜2022年頃は、ARRが200万〜400万ドル(約3〜6億円)あればSeries Bに進めるケースが見られました。

一方で2025年時点では、Series Bに求められるARRは400万〜800万ドル(約6〜12億円)以上へと引き上がり、より高い事業成熟度が求められるようになっています。

これは、かつてはAIの技術力がある企業なら期待的なGoが出ていたものが、初期段階から圧倒的なスピードで売上を伸ばし、事業として成立している企業に対して資金が集中するという構造に変わってきていることの市場の変化ともいえます。

これをざくっとまとめると、「AIは作れる。しかし、売れるかは別の話へ」に変わってきているような状況です。この変化だけを踏まえると、技術を持っていることだけでは、差別化にならない時代になっていると言えそうです。

市場から見たAI企業の現在地

VCの評価が変わってきていることは、AIテックに関わる方であれば、すでに実感されているはずです。

では、視点を少し変えて、企業や市場の側から見たとき、AI企業はどのように映っているのかをひとことでいうと、「正直、違いがよく分からない。」これが、多くの市場、お客様となる企業からの率直な意見、感覚ではないでしょうか。

AIモデルの精度やアルゴリズムの違いは、専門家でなければ判断が難しく、一般の方では比較できる指標も限られています。

さらに、AIはその性質上、「なぜその結果になったのか」が見えにくいという側面もあります。使う側・お客様からすると、技術の優劣そのものを評価することが難しいというのが一般の人の見方になります。

その結果、何が起きるか。

最終的には、

・どの企業が信頼できるか
・どの企業の考え方に共感できるか
・どの企業と長く付き合えそうか

といった、技術以外の要素で選ばれるケースが増えていきます。

ともすると「それを使ったらいくら売り上げになる?」「それで、どんな利益がある?」と技術の中身よりも結果だけを問われることもあります。

これはAIに限った話ではありません。

技術が高度化し、差が見えにくくなった領域ほど、「何をやっているか」ではなく「どんな企業なのか」が問われるようになります。

ESGは“思想”ではなく“取引条件”へ

「どんな企業なのか?って言っておきながらESG?」と思われるかもしれません。

いや、ほんとそうなんですが、実際にESGは、企業の在り方そのものを示す指標として、投資家や市場からの評価に直結するものとなっています。

大切なポイントは、ESGはもはや「意識の高い企業が取り組むもの」ではない。という点です。

企業の善意や思想ではなく、取引の前提条件として求められるものへと変わりつつあります。(あ、ちなみAIテックもESG投資や出資を受けましょうという話ではないので誤解なきようお願いいたします。)

AI企業の主要なお客様となるエンタープライズ企業や上場企業はもちろん、さらにはそこのサプライチェーンとして関わる中堅・中小企業にいたるまで、ESGの手が伸びてきていて

・サプライチェーン全体での環境配慮
・調達先の透明性
・リスク管理やガバナンス

といった観点が、年々厳しくチェックされるようになってきています。そして、AI企業もまた、そのサプライチェーン/バリューチェーンの一部として評価される立場にあるということです。

ガバナンスとしてのAIの説明責任

最近、AI関連で「学習されないから安全」という言説が、SNSなどを通じて広まりつつあります。技術的な観点から見れば、その理解自体は間違いではありません。

しかし実務の現場では、もう少し複雑です。

というのも、学習されないとされるAIにデータを入力した時点で、外部サービスとの連携や出力プロセス(生成AIがつかわれていたり)を通じ、想定していない形でデータが扱われたり、事実上、データ流出に近い構図になっていることがありえます。

それは、必ずしも“漏洩”という形ではなくとも、利用範囲を超えていたり、データの管理主体が曖昧になる状態を含んでです。結果として、無自覚のまま第三者に情報が渡る構造が生まれてしまう。というと少し大袈裟かもしれませんが、契約などによって、そういう状況になるケースがうまれやすくなります。

そのため「学習されないから安全」という言葉を額面通り受け取るには、慎重であるべき領域が確かにあります。

もちろん、クローズドな環境をつくって厳格な管理体制を構築して学習されないAIの代替とすることで、こういったリスクを大きく低減することは可能です。

ただ、それでもすべてのリスクをゼロにできるわけではありません。

これは特定のツールの問題ではなく、

AIに対する理解のズレから生まれる構造なので、AIテックやAI企業というよりも、使用者側のガバナンスの問題なのですが、ESGのG,ガバナンスなので、ここを曖昧にしてAI活用を進めるわけにはいかない。というのが市場のブレーキ要因です。

このブレーキ要因に対して、「どう対応していますか?」と聞かれて、説明責任を果たせるAI(X AI)であるかどうかは、これから先、お客様から求められてくるひとつのポイントになってくると思います。

AI企業もサプライチェーンの一部

この説明責任へのアンサーで重要なのは、技術的に安全かどうか、X AI的な技術でそれをつくるという点はもちろんなのですが。

それだけではなく

「このAIサービスに投げたデータが、どのように扱われる可能性があるのか」

ここを説明できるかどうかです。

そしてこの“説明責任”こそが、AI時代のESG、とりわけG「ガバナンス」の観点で問われているポイントです。

AI領域で「信頼」という言葉が強く意識されるようになっているのも、こうした背景によるものがありそうです。

「信頼」が何より問われる時代では、その目に見えない「信頼」や「ガバナンスへの誠実な姿勢」を、AI企業は顧客にどうやって伝えればいいのか、

ウェブサイトやコーポレートガバナンスの対外資料に「私たちは安全です」「ESGに配慮しています」とポリシーを記載したり、第三者検査機関の監査などで信頼のできる情報開示をすることなども大事ですなのですが、

ちゃんとAI企業が技術だけでなく、記憶にのこり、市場やお客様から「ここいいね。」と選ばれるために、ここでちょっと手前味噌を全力でこね回して、あまりのスピードに発酵したはずの味噌が、いっかい大豆にもどるんじゃないかくらいに話をもどして、冒頭の「AI企業にこそ、木のノベルティ」という話に繋げてみたいと思います。

AI企業は、ESGで非対称ポジション戦略を

さて、広げた大風呂敷をどうつなげるかですが、

お客様となる企業がAIを進めたい!となったときに、最も強いブレーキ(阻害要因)が、ガバナンス的に曖昧な状態でことを進められない。というものです。

では、このブレーキをうまく解除していただく流れをどう戦略に落とすか。結論から言えば、AI企業はESG、とりわけガバナンスの領域で、非対称なポジションを取ることができます。

ここで言う非対称とは、他社が重視していない軸で選ばれる状態をつくることです。

技術や機能をX軸に置いたなら、Y軸に別の評価軸をつくり、技術や機能で差をつけようとする他社とは別の方向に特徴をおいて、そのほか大勢 VS 自社というような構造をお客様の頭に作れるかどうかです。

そのY軸におすすめなのが、AI導入を検討する企業にとって、最大の阻害要因のひとつは「ガバナンスへの不安」です。

・データはどのように扱われるのか
・どこまで説明責任を果たせるのか
・リスクはどこまで管理されているのか

こうした不安が解消されない限り、いくら技術的に優れていても、導入の意思決定は進みません。

特にエンタープライズ企業や上場企業では、ESG経営の観点からガバナンスが強く求められており、「説明できる状態」であること自体が前提条件になっています。

つまり、AI企業にとっては、

「AIはすごい」から選ばれるのではなく、「この会社なら任せても大丈夫そうだ」と思われるかどうかが、意思決定の分岐点ということになります。

極端にしてわかりやすくすると、とんでもなくすごい企画を作れるAIサービスがありますが、入力したアイディアは数日で誰にでも反映されてみられてしまう。

これの比較で、多少性能が悪くとも、アイディアを財産として、ちゃんと守ってくれるAIのほうが、ESGのGの側面ではよいという判断になります。技術的なこともそうですが、どこにデータを置くから守秘できる。データには必ず社内ユーザーの管理ログがついて管理されて、だれが触ったかが一目でわかる。など

ここに、明確な戦略機会があります。ガバナンスを単なるリスク対応としてではなく、「選ばれる理由」として設計することができれば、

・不安を取り除くだけでなく
・信頼を理由に選ばれる

という、性能や機能などの技術的な競争とは別の軸で優位に立つことができます。

現時点では、多くのAI企業が技術や機能、精度といった領域で競争している一方で、このガバナンス的な解決を前面に出した集客は、まだほとんど見られません。(ガバナンスAIの)

だからこそ、今このタイミングで「ガバナンスに強いAI企業」という認識を市場に築くことは、非常に大きな先行者利益を生み出す可能性があります。

目に見えない信頼を、形にして「手渡す」ということ

AI、クラウド、アルゴリズム、データ。 AI企業が扱うものはすべて「無形」であり、手で触れることができません。

だからこそ、お客様と触れ合う、展示会や商談、あるいは契約の節目において、顧客の手に直接渡る「物理的な接点(ノベルティ)」が、企業ブランドを形作る強烈なメッセージになります。

ただですね、データテック、プライバシーや機密情報保護の技術を謳うAI企業が、展示会で海外製の安いプラスチックのボールペンを配っていたら。まず、記憶に残りにくいですし、

なにより、データを守る。追跡できると 「言っていること(機能・技術や理念)」と「やっていること(行動・ガバナンス)」の間に、小さいのですが、確実な違和感が生まれます。

では、もし、配るノベルティが「日本の森を守るために活用された、国産間伐材のアイテム」を、需要予測のAI企業が、この販促品を通じて〇〇kgのCO2削減につながっています。」と数字根拠をもって配れば、小さなノベルティにまで意思決定が一貫している企業は、見えない領域でも同様に管理されていると判断されます。

受け取った瞬間のフワッと木の香りや、手触りも介して「私たちは最先端のデジタル技術を扱いながらも、足元の自然環境(E)や地域社会(S)の循環にも責任(G)を持っています」という、言葉以上のメッセージが宿り、ESGは“語るもの”ではなく、“感じさせるもの”として伝わります。

また、実際にG/ガバナンスとして、FSC®︎認証などを用いてグッズ製作をすることで、ノベルティでありながら、外部の権威ある監査機関の認証と、トレーサビリティなどまでしっかりと説明することができます。

国産間伐材が果たす「3つの翻訳機能」

前提としては、技術の部分は、しっかりとESGのGに対応できているとして、具体的に、どのようなAI企業にどう刺さるのか。国産間伐材のノベルティは、各企業が持つ強みを可視化する「翻訳機」として機能します。

1. プライバシーテックやXAI(説明可能AI)企業

「透明性」の証明 データの安全な活用を担うプライバシーテック(秘密計算など)や、AIのブラックボックスを解消する企業にとって、一番の価値は「誠実さと透明性」です。 

出どころの分からない素材ではなく、「日本のどこで育ち、どう加工されたか」というトレーサビリティが明確な国産材を使うことは、そのまま自社のデータガバナンスへの姿勢(透明性)の証明になります。

2. 建設DXやAIロボティクス企業

「フィジカル空間」との融合 需要予測AIや、物理的な現場の課題を解決するVertical AI、あるいはロボティクスを扱う企業は、「デジタル空間の知能を、いかに現実(フィジカル)世界に実装するか」に挑んでいます。 

木材という、最も原始的で手触りのある素材と最先端技術の組み合わせを通じて、森の具体的な問題として熊や猿などが街に降りて問題になることがあります。

この解決の一助となるようにと、国産の間伐材ノベルティをつかっています。と目に見える問題と結びつけて「デジ・フィジ融合」のビジョンにもぴったりと合致します。また、展示会で配布するお客様にもニュースなどで目にしていることの解決になっていると腹落ち感がグッと変わります。

3. クラウド・汎用AI開発企業

「認知の不協和」による圧倒的な記憶定着として、ゴリゴリのテック企業から、急に温かみのある無垢の木で作られたスマホスタンドや木の紙でつくられた名刺を渡される。この「ギャップ(認知の不協和)」は、相手の記憶に強く刻まれます。そこに、MAツールなどで後日送られてくるメールに、展示会で配布したノベルティを通じて〇〇kgのCO2削減になりました。〇〇様のお手元にある木は、植林を通じてさらに〇〇kgのCO2削減につながっていきます。

と、具体的な数字と、未来の数字も含めて提示することで。 「ああ、あの木の香りがしたAIの会社は、ノベルティとサスティナブルをむすびつけるだけでなく、データの活用を積極的にしててほんとうにすごいんだね。」と思い出してもらえることで、競合がひしめく中で途方もないマインドシェアの獲得に繋がっていきます。

まとめ:テックの先端を走るAI企業だからこそ、足元の「森」を語ろう。

シリーズAからBへと進む過酷な生存競争の中で、単なる「AIを作れる会社」は淘汰され、「社会インフラとして選ばれる会社」だけが生き残っていく厳しい生存競争が始まってきた感じの情勢があると思います。

選ばれるAI企業になるためには、技術の優位性を示すのと同じくらい、「私たちはどんな社会を作りたいのか」というスタンスを示す必要があります。

脱炭素や生物多様性(ネイチャーポジティブ)が、世界のビジネスの「前提ルール」になった今。 日本の豊かな森を育て、資源を循環させる国産間伐材のノベルティは、単なるバラマキ用のアイテムではありません。

それは、無形のAIに手触りを与え、企業の信頼を静かに、けれど力強く語ってくれる「最強のフィジカルメディア」なのです。

「技術で差がつかない時代」の新しい選ばれ方。 その答えのヒントは、意外にも日本の森の中にあるのかもしれません。

なにより、技術は模倣されますが。意思決定は模倣されにくいので、そこをうまくつかって差別化ができると結構いけるんじゃないかなと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。

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