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Kayak55.com 株式会社マルソウ様木製オリジナル商品/OEMのデザイン事例|SDGs脱プラの木製グッズ

昨今の人と人の触れ合いを控えましょう。という情勢から2020年からアウトドアの人気が高まっています。見た目にインドア派の雰囲気を満載にしているワタクシ、コラム担当なかのひと。実は、アウトドアというと渓流のちいさな沢にわけいってヤマメやイワナを釣るフライフィッシングを密かにたしなんでいるわりかしガチなアウトドア愛好家です。

今回のコラムで紹介するのは、株式会社マルソウ様カヤックフィッシングの情報ポータルサイトECサイト「Kayak55.com」とカヤックフィッシングの販売店舗を経営されています。

株式会社マルソウ様は、代表取締役会長の赤澤さん、代表取締役社長の松永さんのお二人で設立。もともと釣りが好きだったお二人、なかでもカヤックフィッシングの世界に深くはまってしまいます。そんな好きが講じて、気が付いたらポータルサイトをつくり、気が付いたらお店を出していた。といいます。いまではカヤックの体験会も積極的に行い日本でのカヤックフィッシングの先駆け、第一人者的な存在となっています。

カヤックフィッシングというとわかる人にはわかるのですが、あまりアウトドアになじみのない人には、カヤックフィッシング?カヤックという魚でも釣るの?と思ってしまう人方がいるかもしれませんので、簡単にカヤックフィッシングについて説明させていただきます。

カヤックフィッシングというのは、「カヤック」という小さめの船、ボートにのって釣りを行うアウトドアです。フィールドはさまざまで、波があまり高くなければ海でもできますし、湖はもちろん流れの緩い川などでも楽しめるようです。

そんなカヤックフィッシングの魅力と、WOOD+にて制作いたしましたカヤック用のまな板(カッティングボード)の制作秘話を伺ってきました。

カヤックフィッシングについて

マルソウ様で扱っているカヤックの一つに、海外メーカーが日本のフィッシングフィールドに向けて開発した「shinobi忍」というカヤックがあります。軽量で取り回しが利くサイズでありながら、小ささのわりにしっかりとした安定感が特徴で、多くのカヤックファンから親しまれています。

このカヤック「忍」の蓋にビート板のような形のくぼみがあり、このくぼみにぴったりサイズでまな板がつくれないだろうか?とマルソウ様のお二人が思ったことがWOOD+へまな板を依頼されるきっかけとなりました。

カヤックフィッシングの面白いところのひとつに、釣り上げた魚をその場でさっと捌けるということがあります。

DIYが得意なお客様がくぼみにうまく合わせたまな板を作っているのを見たことはあるけれど、メーカーから発売されている既製品にそんなまな板はなく、どうしたらいいものか?とお二人が想いを巡らせているときに、「それ、作れますよ?」とマルソウ様でカヤックを購入しカヤックフィッシングにはまりにはまっているフロンティアジャパン営業のHが声をかけ「じゃあ!つくってみますか?」と始まったのがカヤック用の木製まな板(カッティングボード)でした。

カヤックの蓋の“へこみ“にちょうどいいサイズでデザイン

さっそくカヤックの蓋をあずかりくぼみの形や大きさをはかりモックアップ試作の制作にはります。

くぼみのサイズに合わせて完全にぴったりサイズでつくってしまうとまな板を出し入れするときに手が入りにくくなり、砂や石などがまな板と噛んでしまえばとれなくなることもありえます。

かといってサイズに余裕を持たせすぎると蓋とまな板の遊びが大きくなってしまいカヤックを漕いだ時にぐらついたはずみでまな板が外れて海に落ちてしまうことも想定できます。さっと取り外せて、それでいてぐらついてもとれないように、ちょうどいいサイズを模索するところから木の加工を始めました。

加工にはいるとすぐにある問題が出てきました。それは一枚板では制作が難しいということでした。

というのも、木は薄い板だと木表にそって曲がってしまう性質があります。一般的な家庭や飲食店などでつかうようなまな板だと厚みに制限がないので、木の板の厚みをしっかりと持たせられます。なので、一枚板でつくるまな板であっても木表での反りがでる心配がありません。

ですが、今回のカヤック用のまな板では、カヤックの蓋にあるくぼみの深さがまな板の厚みとなります。このため一般的なまな板のような厚みを十分に確保できませんでした。

そこで、一枚の板でつくるのではなく、幅を狭くした板を二枚つくり自然な形にみえるようにつなぎ合わせて加工をしました。木の板幅を狭くすることで、木表の反る力を弱めてまな板として安定させることができます。

こうして、木が反る心配のないカヤックの蓋の形にフィットするまな板(カッティングボード)のモックアップができました。

ですが、この試作品ではほんとうの課題解決にはなっていませんでした。

海水への苦戦と工夫

「全然だめでした。」

その連絡は、モックアップのカッティングボードを海でテストをしたらその日のうちに“ぐにゃっ”と曲がってしまったというものでした。モックアップの試作では水に強い木を選んだのですが、やはり海水には勝てませんでした。

海水に負けない耐水性と、まな板として使っても健康面で問題が出ない安全性を確保すること。この2つを両立させるように幾度かの防水加工のテストを繰り返し、海水で使っても問題がないようなレベルの耐水性と安全性を確保。

再度モックアップをつくり海でのテストをお願いしたところ全く問題がなく、釣り場で魚をさばいたりと、かなりハードに一年くらい使ってちょっとだけ反りがでたかな…という程度。こうして、海水の問題を解決できました。

もちろん、木にこだわらず人工的な素材でつくれば、木表で反ったりもせず、海水でぐにゃっと曲がったりすることもなく簡単に解決ができます。「でも、木のほうがいい味でますよね。」マルソウ様のお二人とも、釣りに限らず、自然に触れるアウトドア好きのためか、自然素材の木に愛着がわくようです。

フライフィッシングの世界にはバンブーロッドといって竹でできた釣り竿もあり、一部のファンに強く愛されています。自然のなかでつかうものだからこそ、木に愛着がわくと私も感じています。(私の場合は、フライフィッシングのランディングネットに自然木のものを愛用しています。)

「今度は、カヤックのパドルとかも木製でつくりたいですね。」

木は、硬質プラスチックなどに比べると同じ耐久力、性能を求めると重量が重くなりがちです。確かに機能性を考えると、軽くて丈夫なほうが良い。ですが、その重くて取り回しにくい不便さを楽しむといいますか「不便だからこそそれがいい。」と思えてしまうのが木の魅力じゃないかと勝手に思っています。

カヤックのまな板(カッティングボード)を通じて

「いや、試作のモックアップの出来上がりはほんとに早かったですよ!ほんと、びっくりしました。『じゃあ、試作をつくってきますね。』といってから一週間かかっていないんじゃなかったですかね?」

営業担当のHは「いや、たまたまあのときは時間があったので、繁忙期とかだったら難しかったですよ。それに、はやく海でテストしたいとも言ってましたし…」と控えめに語るが、やはり趣味のカヤックフィッシングということもあってその想いがモックアップのデザイン制作する社員にも伝わったのだと思います。

ちなみに、このまな板(カッティングボード)を通じて、ある奇跡がおきていました。

それは、バイキングカヤック「忍」のProモデルの蓋にもこのまな板がぴったりあうということです。まな板の穴の位置ぴったりに取っ手が通り、まな板の形もサイズも示し合わせたように重なります。

これは決して狙って作ったわけでもなくメーカーのほうが気を遣ってサイズを合わせてくれたものでもありません。ほんとうに偶然の産物なのですが、このピッタリ感はまさに奇跡的です。

まな板の穴と忍Proモデルの蓋の取っ手の位置だけでなく丸みや長さ、幅までぴったりと奇跡のような一致

そんなカヤックフィッシングに興味を持った、初めてみたいという方は、はじめての方でも参加のできるマルソウ様の体験会からはじめるのがおすすめです。

釣れる魚も多種多様。

ポータルサイトでは、日本の各地の釣り場のローカルルールや安全にカヤックを楽しめる情報なども発信されています。

マルソウ様のお二人と

まとめ

株式会社マルソウ様カヤック専用のまな板(カッティングボード)のオリジナル制作ストーリーでした。このまな板は、カヤック用ではありますが普段使いでも買って帰る方がいらっしゃるくらいで、好評とのことです。

少し話は変わりますが、時代は環境配慮時代になってきています。SDGsやESG、脱プラスチックとエシカル消費。様々な環境配慮の指標や消費のあり方が問われてきています。

WOOD+では、SDGsをはじめさまざまな環境配慮、自然配慮のご要望に応えられるように、トレーサビリティができる木材を扱ったり、加工なども国内の自社工場、提携工場でおこない木工加工の技術の継承にもつながるように製造をしています。すべてのアイテムが自信をもって環境にやさしい商品ですといえるものになっています。

最後になりましたが、株式会社マルソウ 赤澤様、松永様、インタビューへのご協力ありがとうございました。

ポータルサイト[ Kayak55.com Portal Site ]  

http://www.kayak55.com/

ECサイト紹介[ Kayak55.com]

http://shop.kayak55.com/

YouTube紹介 [ Kayak55 ムービー ]

【ショールームのご案内】

フロンティアジャパンにて作成してきたノベルティアイテム、記念品はもちろん、最新商品や大型アイテムなど実績サンプルを多数展示してます。

木製品特有の年月とともに変わる風合い、味わい、木の種類による違いなどお手に触れて確かめられます。

なお、見学をご希望の場合は、お問い合わせフォームよりご予約いただけますと幸いです。

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