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世界恐慌?ブロック経済?一回整理したい世界情勢と販促・ノベルティ

いやはや、この一二週間でいろんなことが起きていて、完全にパンクしています。コラム担当なかのひと1 号です。
さて2025年、再登場したトランプ政権が進める関税強化によって各国の経済対立がかなり危惧される状況になっています。

この危惧などの諸々をもろもろと、木製ノベルティメーカーでマーケティングを担当する私が、販促、木工、エシカル消費など現場の視点からお届けします。

いまのながれをざくっとまとめると、自国経済を守るため、製造や雇用の国内回帰を進めるなど、かつての世界恐慌のあとに見られた「ブロック経済」への動きが加速しているといいます。

これは、90年代以降進んだグローバリズムの流れとは逆行しているものです。一方で、冷戦時代やブロック経済のころに見られた経済、文化、流通が“分断” の時代へ舵を切った政策などは、すでに進んでいて、今回のトランプ関税はその流れをいっそう加速させるもの。と捉えるのが正しそうです。

このような状況を受けてか「1929年の世界恐慌のような事態になるのでは?」という懸念も一部でささやかれています。
しかし、いろんな専門家の声を広いまとめると、現代の金融制度や各国の連携体制は当時とはまったく異なっていて中央銀行による即応性の高い政策運用、グローバルレベルでセーフティネットが存在するころにより、以前と同じような金融崩壊は起こりにくいとされています。

上の図は、あくまでChatGPTにて算出してもらったデータで現在、想定される大恐慌へのリスクの確率と、シナリオケースについてです。
自分もこれくらいの感じかなとちょっと気楽におもっています。

すでにおきていることとして株価の下落があって、その影響はすくなくないため中程度のリセッションに片足半分。というところが今起きていることの実情といえそうです(眼に見えるものではないのでなんともですが…)

ただ、ですね。今回の事象で最も注意すべきは、大恐慌の再来云々ではなく、経済の“構造そのもの” が変わってしまうことにあるのかもしれません。

すでに、デジタルテックやAI、スマホ、OS、アプリ・エネルギー政策などでデカップリング(分離)は起きていて、半導体製造やそれにまつわる技術で、あちらにはわたさないぜ。という非常に強い分断がおきています。

これがさらに進んでいくとサプライチェーンの再構築、地域ブロックごとの基準・通貨・価値観の分離が進み、世界経済は“恐慌” というより“大変化” のフェーズへと進みそうです。
今起きているのは、短期的な危機ではなく、長期的な経済秩序の変質。その変化への対応を進めることが求められているといっても過言ではありません。

ブロック経済の再来?各国の“経済圏化” が進む背景

さて、冒頭にもありましたが、トランプ関税が大きく目立っているため、そこがきっかけのように見えますが、結構以前からデジタルテックや経済安全保障に関わることが分断をしはじめています。

冷戦以降で世界全体で目指していたグローバル経済の分断が進み、それぞれの価値観や文化、安全保障を軸に「それぞれの経済圏構築」としてブロック経済の再構築のようなことを進めています。

米国は関税をもちいて製造業の国内回帰を狙い、FTAよりも“自国優先” の関税主義へ

中国は外需から内需へのシフトと、テック産業への規制強化、学習塾の閉鎖を進めるなど個人や民間の活動にブレーキをかける政策を強めて経済や文化モデルそのものを転換しているように見えます。
EUは、それまでロシアに依存していたエネルギー、中国に依存していた経済から離れざるを得ず、脱炭素やサステナビリティを基盤とした独自の経済圏を志向し、共通基準による囲い込みを進めそうです。

日本はこうしたブロック間の間で、TPPやEPAといった多国間連携を活用し、信頼ある中間の国としてのポジションを確保していくことができるのか?強力なリーダーシップが求められるのですが…現政権は世界情勢が見えているのかが不安になるくらいちょっと頼りない。そんな情勢となっています。

アメリカには、現地の製造拠点を作りにいくような動きが求められ、中国は景気がどっちに転ぶのか?を見極める必要があって、欧州相手には、アメリカほど不安定ではなく中国よりは融通が効く柔軟でそれなりに信用できる日本というポジションを構築できると結構したたかにこの情勢を泳いでいけそうな気もしますが、アメリカからの睨みなどで、そうそううまくはいかないような気もしています。

経済不安だからこそ“伸びる産業” はある?不安定な時代の生存戦略

さて、そうなる可能性は低い。といいながらもちょっとだけ掘り起こして世界恐慌当時で経済が落ち込んだなか、各企業が業績不振に陥る中でも意外にも堅調だった産業があります。

それが「映画産業」でした。

人々が“安くて、非日常を味わえる娯楽” を求めた結果、不況下でも劇場は賑わい続けたといいます。
同じように、経済が不透明な時代には「心の満足」や「共感」「安心」といった情緒的価値や、いわば“カウンターカルチャー” 的なものを提供する産業が底堅く伸びる傾向があります。

今回のリセッションのような情勢にこれを置き換えると、サブスクリプション型のコンテンツ産業や、クラフト・エシカル消費、体験型ギフト、癒しや自然をテーマにしたプロダクトなどは、コストを抑えながらも“精神的な豊かさ” を感じられるものとして注目を集めそうです。

また、ESGやサステナブルという軸が社会に浸透する今、「モノを買う」ことが、私たち消費者や市場価値観の” 投票” という概念に近づきつつあります。

まさに、「何をいうか・何をやるか」ではなく、「誰がいうか・誰がやるか」のホンモノが問われる時代。
コト売りとも言われるもので、企業の販促活動にも変化をもたらしてきています。

“販促” にも影響?企業がノベルティやギフトに求めるものが変わってきた理由

話を戻すと米国では「アメリカ製」に回帰する動きが強まり、中国では内需重視と統制強化が進行中。

こうした世界経済の分断が加速する中、企業は単にモノを売るだけでなく、「自分たちが何者で、どんな価値観で活動しているか」を示すコト売りへのシフト、ホンモノであることを発信する必要に迫られています。

その影響は販促活動にも及び、ノベルティやギフトにも“企業姿勢” や“環境配慮” が反映されているかも問われるようになってきています。

特に欧米では、ESGやSDGsへの取り組みがステークホルダーや消費者から強く求められており、「脱プラ」「再生可能資源」「地域素材」といった要素が、ノベルティ選定の基準となりつつあります。

今やノベルティは、単なる“配布物” ではなく、企業の理念を可視化するための“戦略的ツール” といえます。

どんな素材を選び、どういう人たちがつくり、どんなストーリーを語るか?
それがブランドの信頼性に直結する時代になっていますし、この分断による流れによって一層加速すると思います。

「素材」と「ストーリー」で選ばれる時代へ。信頼をつくるノベルティの新基準

今、ノベルティや販促ツールに求められるものが大きく変わりつつあります。

これまでは「安く・大量に・目立つ」ことが重視されていましたが、現在はその真逆。“なぜこの素材なのか” “どこで、誰が、どうつくったのか” といった背景や、企業の姿勢そのものが伝わることが強く求められています。

たとえば、FSC®認証材を使用した木製ノベルティや、国産間伐材を活用したプロダクトは、「環境に配慮した選択」「地域とつながる意思」「持続可能な資源活用」など、企業が社会に対して何を大切にしているかを自然に伝えるメッセージそのものです。

もはやノベルティは“ちょっとしたおまけ” ではなく、企業の世界観や価値観を体現するツールとして扱われる時代に入ってきました。

とくに、経済の不確実性が高まり、社会全体に不安が広がる今、「どの企業と関わるか」「その企業を信頼できるか」は、取引や採用、パートナー選定において大きな判断材料となります。そうした中で、ノベルティはブランドの第一印象、信頼を想起させてくれる入り口として非常に重要な位置づけに変わってきました。

これからの時代に選ばれるノベルティとは、環境配慮はもちろんのこと、企業のストーリーや文化、未来への視点がにじみ出ているもの。
価格やインパクトだけではなく、「この企業となら安心して関われる」という感覚を育てる存在です。
販促物もまた、企業の信頼を育てる“戦略的な関係構築ツール” として、見直されるべき時期に来ています。

私たちのノベルティグッズが100点満点でこれにこたえている。とは言いません。まだまだ目指すところは遠く、お客様から求めるレベルを超えるには至っていないかもしれません。
ですが、「森と人のいまよりも幸せな未来のため」のものづくりで貢献できればと考えています。

まとめ

「グッズ」ではなく「価値」を届ける時代へ

経済が不安定になるほど、人々は「本質的なもの」「信頼できるもの」「安心できるもの」を求めるようになります。
ノベルティや販促品も例外ではなく、ただ配るだけの“モノ” ではなく、その背景にある想い、価値観、社会への姿勢までを含めて選ばれる時代になっています。

“なぜ、この素材なのか”
“なぜ、この形にしたのか”
“なぜ、それを贈るのか”

そういった問いに答えられるノベルティは、企業の信頼を育み、関係性を深める大きな武器になります。
これからの販促は、「モノを渡すこと」ではなく「価値を届けること」が求められているのです。

*参考文献について
「米中のデカップリングについて」

引用元:REUTR [Measuring the US and China’s conscious decoupling]
https://www.reuters.com/breakingviews/measuring-us-chinas-consciousdecoupling-2023-11-16/?utm_source=chatgpt.com

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