2022年4月になると、環境関連法案の「プラスチック資源循環促進法」が施工されます。
この法律は、使い捨てプラスチックへの規制をかけるものと言ってもよくて、ワンウェイプラスチックとよばれる使い捨てプラスチックがその対象になっています。
規制対象の事業者は、コンビニエンスストアをはじめカフェスタンドといった飲食関連の業種で使い捨てプラスチックスプーンやフォーク、ストロー、マドラーが対象となっています。また、アパレルやクリーニング業でもプラスチック製のハンガーもこの対象です。
そして、ホテル、旅館などの宿泊業にも対象となるプラスチック製品があります。プラスチック製の歯ブラシ、髭剃り、クシ、ブラシ、シャンプーハットなどです。
今回のコラムでは、そんな宿泊業のホテル、旅館向けのアメニティについてです。
さて、ホテルや旅館のアメニティというと、私個人で最近実感していることとしてですが、いい旅館やホテルのアメニティグッズは「え?こんないいものが…!?」と驚きがあります。
例えば、秋口や冬の寒い季節にお宿を利用すると、お部屋で利用するのにちょうどいい靴下がついてきてついつい使い捨てにするのがもったいなくてお宿の方にこちらはもらっても良いものですか?と伺ってもらってきてしまいました。冷え性なかのひとの睡眠グッズとして寝るときに履かせてもらっています。
ちょっと話は変わりますが、ノベルティグッズも時代の流れがあると実感しています。
それは、これまでのノベルティは、たくさんつくって、たくさん配る。といういわゆる広告の雨を降らせるような販促が中心でした。
ですが、最近のSDGsや製造の透明性の保証などで、原価を抑えてたくさん安くつくるモデルが必ずしも合わなくなってきています。
ノベルティをつくって配ったはいいけど、つかわずに大量に捨てられてしまった。とかがSNSなどでアップされたりすると、環境意識が低い企業というネガティヴなイメージにも繋がりかねない環境配慮の時代になっているからです。
おしゃれな木製アメニティについて
さて、アメニティといいますとやはりどうしてもつきまとうのが「単価」の問題です。また、木製品なので「強度」の問題もあります。
- □単価をさげれば、強度が落ちってアメニティとして使い物にならず。
- ■強度をあげれば、単価が上がってアメニティとしてきびしくなります。
このジレンマがあります。
なので、そのまま木のアメニティをつくってもこれまで通りのアメニティグッズとして使っていくのはちょっと現実的ではなさそうです。
解決策としては、木の木繊維を分解して強度をあげるエコな補強材といっしょに練り固めて強度を保ちながら単価を抑える方法がありそうです。
この場合は、ロット数がかなりの数必要になると思いますが、これまでのアメニティに近い単価、強度で替わりが務まりそうです。
一方で、ほかの運用方法としては木製品で価格はアメニティよりは高めでつくってしまって、基本的にはアメニティグッズは持参でおねがいいたします。との宿泊プランにして、アメニティグッズ(歯ブラシ、クシ、ブラシなど)が必要なお客様には500円や1000円で販売というスーパー銭湯や日帰り温泉方式もありかもしれません。
もしくは、全体的な宿泊費にアメニティ分をのせてしまって、質のよい木製アメニティグッズをプレゼント。
持ち帰ってもらって、口コミやロイヤリティ、顧客満足度につなげてリピーターやブランドのファンへと変えていく。という方法もありかもしれません。
シンプルな木製品なら、もらってうれしくおしゃれなのでアメニティにノベルティグッズとしての機能をプラスしての運用は結構ありかもしれないですし、自分が宿泊した宿でそんなサービスがあったら口コミやSNSへ投稿もしたくなります。
SDGsやESG、パーパス経営につなげる。
SDGsという言葉は、ここ最近あちらこちらで聞かれるようになりましたね。
テレビはもちろん、ネットでもどこでも聞かない日はないくらいです。
さて、そんな人気なSDGsですがミレニアル世代やZ世代を中心に、こういった環境意識がつよくあります。
新卒採用では、企業への質問としてSDGsの取り組みなどが質問事項としてあがり、対応がされていない。解答がいまいちだと入社を取りやめてしまうケースもあるようです。
また、SDGsと直接関係はないのですが、投資家からの投資対象としてこういった環境や人権配慮の取り組みが評価対象となるESGというものがあります。
ESGというのは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(経営)の3つの言葉の頭文字をとったもので、環境や社会へ責任ある経営をしている企業を評価して、投資出資の対象として優良な金融商材にしてくれたり、投資家へ推薦をすすめる。というものです。
どうしてこういったと環境や人権の取り組みが株式や投資、出資などの金融市場に関わってくるのか?といいますと。
ある前例を例お話しすると、ある大手ブランドが海外の委託工場(自己資本でもなく完全に外部の会社)へ商品の加工をお願いしていたのですが、この委託工場が問題で、人権を無視した強制労働、搾取労働に近い労働環境で費用を抑えていて、それがSNSなどで明るみに出てしまい、そのブランドへ飛び火。ついには、ブランドの世界的な不買運動につながり、株価や経営にも大きな影響がありました。
この例では、市場からは、外部委託先でもブランドとしての責任を追求されることがわかりました。
もし、自分が投資や出資をするとして、そういう不買運動が起きてしまいそうな企業とそうではない企業であれば、そうでない企業へ投資したくなります。
こういった背景もあって、環境や人権の取り組みが世界的にも根づきつつあります。
たしかにホテルや旅館業では、もしアメニティグッズとしてつかうアイテムは、先にも挙げたように大量生産でできるだけ安くつくる。というのが前提のものになっています。
ですが、もし、そのアメニティグッズを木製品にして、お客様がつかっていただくことで、森の自然環境や、いきものの生物多様性、気候変動の温室効果ガスの抑制の一助になれるとSDGsやESGにもつながります。
さらに最近きかれるパーパス経営(志経営)としても大きく貢献できます。
まとめ
さて、木製のアメニティで貢献できそうなことのまとめです。
ノベルティ業界でも起きてきていることですが、大量生産、大量配布モデルが少しづつ変化してきていることはそう遠くない未来にアメニティ業界にも影響してくる可能性があります。
木製アメニティであれば使い捨てではなく、持って帰っていただけるような品質にしてノベルティとしてお客様満足につなげることもできるかもしれません。
SDGsの取り組みは、ミレニアル世代やZ世代にとっては消費の動機としてはもちろん、採用人事の面でも強く影響していきます。また、ESG経営として投資や出資などが受けやすくなるなどもあります。
これら、環境配慮だけでなく地域経済や地域の自然保全などでパーパス経営にもつながっていきます。
なお、木製品といいますか出自のわかる木製品や間伐材を用いた製品であれば、つかうことで森の環境を守ることができます。
木を使うというと、自然破壊だ。となる方もいらっしゃいます。もちろん、手付かずの自然の木を切ったりすると自然破壊になりますが、日本の森「人工林」や「里山」では、「人の手」として森の木を切ったり枝を落としたりしないと森の環境がまもれません。
「人工林」や「里山」では、これまで木々の成長に合わせて適切に木を切り森のなかに太陽の光を入れたり、風通しをよくする間伐や枝打ちなど「人の手」を入れて森の環境を守ってきました。
私たちは日本の各地でうしなわれつつある、この人の手を間伐材のノベルティグッズ化で支えています。
時代のトレンドといいますか、時流を抑えたアメニティの提案ができるとうれしいです。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。
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木製品特有の年月とともに変わる風合い、味わい、木の種類による違いなどお手に触れて確かめられます。
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