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【森林業界】ドローンを活用した新たな森林測量テクノロジーのご紹介

空を飛ぶ「ドローン」が森林測量にも活用されていることをご存知でしたか?

空中を飛行し、軽い物品の運搬やライトアップされた芸術的な演出などに活用されるようになったドローン。実は、森林業界でもドローンが活用されていることをご存知でしたでしょうか?

ドローンは持ち運びが簡単な大きさで、人間の手では届かないような高度まで飛行することができるため、山林を空中から撮影して測量するために使用されています。しかも、ただ単に上空からの写真を撮影するだけではありません。ドローンが撮影した位置情報と画像のデータを組みあわせて、樹木の状態を記録したり、山林の傾斜の状況をマップ化したりできるのです。

その他にも、ドローンを利用した森林測量には、従来の森林測量のやり方にはない様々なメリットがあります。そこで今回は、森林測量に活用されるドローンの仕組みや、CG技術と組み合わせた最新テクノロジーについてまとめました。ぜひ、森林業界の最先端

ドローンによるステレオ写真撮影と最新のCG技術で森林を測量


森林測量に使用されるドローンには、小型で軽量なカメラが取り付けられています。ステレオ写真と呼ばれる、奥行きが分かる撮影技術を応用して、CGによるマッピング技術と組み合わせることで、森林の様子を3Dデータとして製作することが可能です。

ステレオ写真とは、位置が異なる2か所の画像データを分析することで、深さに関する情報が得られる原理です。人間の脳が、左右の目で見えている画像のズレから奥行きを理解しているのと同様に、少しずれた位置で撮影した2つの画像を比較することで森林の奥行が測量できます。

また、最新のCG技術では、100億個にもおよぶ膨大な点のデータをスピーディーに解析することが可能です。この技術により、ドローンによって撮影された画像データから、各地点の高さや傾斜情報を計算して、直感的に分かりやすい3Dマップを製作できるようになりました。

徒歩による従来の森林測量と比較した、ドローンによる森林測量のメリット

ドローンによる森林測量は、人が徒歩で行う測量と比較して様々なメリットがあります。調査員がレーザーによる測量装置を使って森林測量を行う場合、高い精度が出る反面、広いエリアを調べるには時間がかかります。一方、ドローンを利用した森林測量なら、広範囲を迅速に撮影することが可能です。

また、空中から撮影する従来の手法には有人の航空機を用いたものもありますが、手間やコストがかかってしまいます。ドローンを利用すれば、低いコストで森林測量できる点がメリットです。

森林測量に利用するドローンは、通信環境が良くない山奥のエリアであっても活躍します。モバイルアプリとの連携により、測量を行う地点まで自動的に移動して撮影し、自動で着陸するのが特長です。

さらに、森林測量に用いるドローンが撮影したデータは、専用のプログラムに送信するだけで高解像度のマップに変換されます。

森林の測量データに加えて植物の健康状態などもチェックできる

ドローンによる空中撮影で測量できるのは、山林の地形的な特徴だけではありません。撮影された画像から観察される植物の色情報から、山林の健康状態を分析することも可能です。適切な生育環境で育った山間部の植物はより深い緑色をしていて、緑色光を強く反射します。このように、ドローンから空中撮影するデータは、地形を測量するために使われるレーザー装置よりも多くの情報が読み取れることが特徴です。

ドローンを利用した森林測量では、植物の健康状態に加えて、山間に生えている植物の量もチェックできます。健康的に育っている山林は、背の高い木の合間から適度に日光が射し込み、地面に草木が生えています。このような状況についても調査が可能です。

山林の状態が悪くなると土砂崩れなどの自然災害の原因になります。ドローンによる森林測量で得られたデータは、災害を防ぐためにも役立つ情報です。

ドローンによるデータから樹高や樹幹を自動で計算できるなど応用範囲が広い

ドローンで取得される森林のデータは、専用のソフトで分析することで様々な情報が自動的に抽出できます。たとえば、空中から撮影されたデータから山林の先端部分を自動的に分析し、地表面からの高さや、樹木の上部で葉が茂っている樹冠といった情報が取得可能です。

さらに、得られたデータに木の種類などの属性を与えることで、樹種ごとの集計データなども簡単に製作できます。専用のソフトでは、これらの情報をExcelデータとして出力することもできるため、応用範囲が広いです。

ドローンや撮影機材、分析のためのプログラムは今後も発展していくことが期待されます。ドローンを活用した森林測量は、林業の発展に役立つテクノロジーです。

森林の管理にドローンによる測量をいち早く導入することで、自然資源の活用や災害防止などのメリットが見込まれています。

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