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フルタニランバー様事例 支給木材でつくるサスティナブルタンブラー

クラフトビールが大好きで、どこか旅行をしたらご当地のクラフトビールを必ず自分のお土産に買って帰るコラム担当なかのひとです。2020年ごろからの世界的な人と人が触れ合うことへの規制があったなかでは、旅行やおでかけも控え気味になってしまいましたが、そんななかでも各地のクラフトビールをあれこれとしらべては6本セットのお取り寄せしては楽しんでいました。

楽しみ方は、量をたくさん飲むというより、お酒の特徴にあわせてご当地食材や季節の旬の食べ物で料理をつくって、その一杯を丁寧に楽しむ。そんな呑み方にはまっています。

さて、木の香りのするお酒というと、ぱっと思いつくのはウイスキーでしょうか。しかしながらビールの歴史を紐解くと、案外と木の香りとビールの組み合わせは歴史が古いみたいです。11 世紀初頭に北ヨーロッパをバイキングが席巻していた時代に、イギリスでつくられたバーレイワインというお酒があります。ビールと同じ原料をワインのように樽に入れて長期熟成。当時は、木樽でつくっていたので、グラスをゆらすと熟成樽につかった木の香りがふわっと薫る。そんなビールだったといいます。

ちなみに、バーレイワインはフランスのワインに対抗して、イギリスがつくった麦のお酒と言われています。その特徴は、コクが深くアルコール度数が…と語り始めたらとまりませんので、本題にもどります。

今回は、そんなバーレイワインに分類されるビール「森のビイル ひばのわ」を販売されました石川県の木材販売会社フルタニランバー様のお客様インタビューです。
木の香りのビール。それだけもかなり面白いものなのですが、伺うとほかにもいろんな面白い取り組みがたくさんありました。

フルタニランバー株式会社
代表取締役社長
古谷 隆明様
https://furu-tani.co.jp/

ひろく木の価値を届ける。

「木の流通会社というコンセプトだったのを”ひろく、木の価値を届ける会社”というものに変更したんですね。」このコンセプトは、フルタニランバー様の社員がみんなで考えて行動指針として落とし込んでくれたといいます。人を大事にしたいという思いで給与や休日日数といった待遇・福利厚生を改善。ほかにも休憩室にリラックスできるビーズクッションを置いたりされていて、社員の方々が前向きにいろんなことに取り組んでくれているといいます。

そんなフルタニランバー様は、いまからほぼ100年前の1904年に金沢県石川市に創業。
今回のインタビューに協力いただいた古谷隆明社長は5代目になります。

もとは、海外からの輸入木材を中心に扱ってきましたが、時代の変化に合わせて木工加工の工場をつくったりと、2019年に古谷さんが社長に就任されてからは、IoTの活用として抱えている商品にIC タグを発行、社員にはタブレットを配布。

属人的だった在庫管理を、タブレットでだれでも把握できるようなシステムを開発。さらに、そのシステムをスマホアプリと連動しお客様が欲しい材料を現場で注文できて、木材がいつ届くのか、今どういう状態か?を把握できるなどのDXを進めています。

木材業界は高齢化の影響もあって、なかなか業界全体でDXやICTの開発といった動きが活発ではありません。もちろん、すべての人がデジタルに対応できるわけではないので電話やFAXといったこれまでのアナログな注文方法も残しつつ、受けた注文を社員が代わりにタブレットで管理するようにしておいていかれるひとができるだけでないようにされています。

フルタニランバー様の取り組みはそんな木材業界に関わる法人や企業の方々からわかりやすく、買いやすいと評判となっています。

また、地域の木を積極的に使っていくことにも注力。ウッドショックで輸入木材の価格が高騰したことも後押しになったといいます。
ウッドショックについてはくわしくはこちらのコラムから

https://eco-pro.ne.jp/columns/woodshock/

ほかにも、木を乾燥させる乾燥機も独自の乾燥技術を抑えた木材乾燥機を開発、これまでの乾燥機にくらべて短時間でかかるコストも抑えつつ、木が曲がったり反ったりしにくいものとなっていて2023年のグッドデザイン賞も受賞されています。

「これまでは、BtoBを中心に木の価値を届けていたのですが、もっとひろく木のこと、木の魅力を広めたいということを考えました。」
木のことをまっすぐに、ひろく、木のこと、木の持つ価値を届けたい。そんな思いではじめたのが能登ヒバ楽器プロジェクトATENOTEと森のビィル『ひばのわ』でした。

能登ヒバ楽器プロジェクトATENOTE

ATENOTEは、能登ヒバが能登地方で「アテ」と呼ばれることに由来しています。

フルタニランバー様が能登ヒバ材をつかって楽器を加工販売するのではなく、能登ヒバ材を楽器メーカーへ提案するプロジェクト。
これまでにハープやギター、ベース、三味線、ウクレレ、ピアノといった樹種(木の硬さ)によって音に影響がつよくでる弦楽器や鍵盤楽器をはじめとして、ドラムや和太鼓などの打楽器など20以上の楽器メーカーと一緒になって楽器が作られてきています。

能登ヒバ楽器プロジェクト ATENOTE
https://atenote.com/

森のビィル『ひばのわ』

「衣食住の住以外に木の価値をとどけられないだろうか?」と始められたのが森のビィル「ひばのわ」冒頭でもお伝えしたバーレイワインでアルコールが強めで木の香りがかおるクラフトビール。木のチップをつかって香りをつけたビールで、今年の7月に販売されたひばのわを皮切りに販売が始まりました。

森のビィルは、キノワホクリクという木の輪を広げた北陸三県の木の会社が一体となった事業のひとつとなっています。北陸三県には、福井の「越前マツ」石川の「能登ヒバ」富山の「ひみ里山スギ」とそれぞれの地域で特色がある木でそれぞれ作られています。地域の木をつかって県の枠組みを超える木材活用の普及、ひいては地域の活性化につなげることを目的されています。

越前マツの「まつのわ」能登ヒバをもちいた「ひばのわ」ひみ里山スギの「すぎのわ」の3つの香りが楽しめます。ほかにもそれぞれの香りが楽しめるルームフレグランス「アロマウォーター」もあります。

木還舎
https://kikansha.base.shop/

コンセプトを軸にすること

ユニークなことでメディアに取り上げられる。マーケティングなどでよく目にする手法ですが、ともすると奇を衒いすぎてしまっていて、注目は集まってもそれで終わってしまうことがおおく、そこから広がらないから意味がない。といったケースをよく目にします。
しかし、フルタニランバー様では、ユニークでありながら、しっかりと木のこと、木の業界の活性化を考えられていて、応援してくれる地域や人・業界がたしかに集まっているように感じました。

例えば楽器のATENOTEでは、日本を代表される総合楽器店をはじめ、コラム担当なかのひとも聞いたことのあるアーティストの方が応援メッセージを残していて「お!」となりました。森のビィルひばのわについても、三県の木材会社が連携され、異業種の蒸留所が関わっていたり、ほかにも某モンスターのマスターを目指す某有名キャラクターの声優の方を起用した木材普及アニメとたしかな人と人のつながりが伺えます。

「”ひろく、木の価値を届ける会社”というコンセプトを外さないようにしているからですかね」

ユニークなことのなかに、ただ見た目がおもしろい。もの珍しいといった希少性にだけこだわるのではなくちゃんと関わる人たちに利益が出るような取り組みにならないとそもそも事業とてスタートしない。と決めているといいます。

「関わる人たちが幸せになる。社員や職人もそうですし、林業や製材所も含めて事業を通じて応援したいと考えています。」

能登ヒバの支給材でつくるエコタンブラー

今回、弊社でつくらせていただいのはKitto+木のタンブラーに、フルタニランバー様から能登ヒバのおかくずや端材を支給していただいてつくらせていただいています。

Kitto+ 木粉のタンブラー

「キノワホクリクの仲間に共有してとても好評で、先日福井でイベントがあってもう売れたんですよ。木の香りがして、ヒバの独特な香りが残っているのがうれしかったですね。」

ほかにも触ってざらっとした感じがあってさまざまに五感に伝わる仕上がりが好評だったといいます。

「実は、以前プラスチックに木(木粉)を混ぜてプロダクトをつくろうとしたんですが、これがむずかしくて」

木くずやおがくずといった本来捨ててしまうものをプラスチック樹脂にまぜてつくるエコなプロダクトは近年注目を集めていますが、一般的な製法ですと樹脂とエコ素材を混ぜるときに高エネルギー工程を経ないといけなくて、工程が一つ増えることで価格も高くなりがちでした。また、製品によってはやわらさが必要であったりして一筋縄ではいかないものでした。

Kitto+では、特殊工程で高エネルギー工程を短縮、また一般的なエコプラスチック製品では15-30%前後がエコ素材を混ぜる限界となっています。Kitto+の製法では51%と半分以上をエコ素材・木粉でつくることができます。フルタニランバー様のコンセプトにも通じる、日本の森で問題となっている木が使われない問題を解決しつつ、これまでにない木の価値を届けることができるアイテムになっています。

まとめ

音楽やビールだけでなく、DXに乾燥機とユニークなだけでない取り組みが盛りだくさんのフルタニランバー古谷社長のインタビューでした。

もとは音楽が好きでレコード会社に勤務されていて楽器プロジェクトにつながっていたり、インディーズバンドでレコーディングをされていた方をきっかけに超有名な声優の方に仕事を依頼できたりと、木の魅力を広めることで人と人がつながり、その輪がじわじわと大きなものとなっていることインタビューを通じて感じることができました。

木のもつ魅力については、ここ数年のSDGsをはじめとした環境配慮のながれもあって、かなり見直されてきています。
建材や家具にかぎらずひろくその魅力を発信していって木をつかうことが増えると、木に関わる人だけでなく森、そこに暮らす生き物と幸せの輪がいまよりもっと広がっていくと思います。

私たちも、木製品を通じて輪をひろげる力になれるとうれしいです。
それでは、最後までコラムをお読みいただきありがとうございました。

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