国産の木材にこだわり、間伐材を中心に木製ノベルティグッズを作り続けています。
Wood+です。
そもそも間伐って?なんでSDGsやESGにつながるの?からGX(グリーン・トランスメーション)やなにやら騒がれ始めている炭素税にも、じわじわと関わってきています。
Wood+のコラムをお読みの方は、SDGsはもちろんESGへの対応が大手企業から中小企業にも及んできていることはご理解いただいているかと思います。
これまでは、ESG経営で大手企業のサプライチェーンを中心とした範囲が中心でした。
ESGで求められる温室効果ガスの排出量を計算するGHG計算が代表的なもので、大手企業と取引をしているとこれの提出を求められるケースが多々あります。
大手企業と取引のない中小企業でも、資金繰りにて地方銀行でESGの観点で投資や出資の評価を行うサービスやサスティナブルな取り組みをを評価して金利優遇に繋げるサービスが始まってきています。
そこにさらに!のしかかってくるのが、「炭素税」です。欧州などでは炭素税がガッツリと取られる国も多く存在していて、日本ではまだ本格的な取り組みはされてきていなかったのですが、ついに2022年12月の「GX実現に向けた基本方針」にて「炭素に対する賦課金」の導入が明記されました。
「ん?炭素に対する賦課金?炭素税じゃあないのか?」
「というか賦課金ってなに?」という方のためにざっくり解説いたしますと
賦課金は、太陽光など自然再生エネルギーを用いた再エネ発電の賦課金があります。
家庭に届く電気代の明細に、「太陽光促進賦課金」などの項目があるので、一度は目にされたことがある方も多いかなと思います。
使う量に応じて、請求が入る従量課金方式の税金とも言えます。
引用:企業にCO2賦課金、28年度ごろ導入へ 経産省方針
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA146CB0U2A211C2000000/
こちらの記事の中で
”経済産業省は14日、企業の二酸化炭素(CO2)排出に課金し排出削減を促すカーボンプライシングを巡り、化石燃料を輸入する企業に対して2028年度ごろから燃料ごとの排出量に応じた賦課金の支払いを求める方針を固めた。”とされています。
28年ごろというと、今が2023年3月14日(ホワイトデー)ですので、28年までですと、4年と293日しか残っていません。1754日です。
弊社営業日ベースだと、3年ちょっとでしょうか……
なにもしないでいると、4年293日後くらいから炭素税ともいわれる「CO2賦課金」がはじまって利益がじわじわ減ってきて、経営負担が増えてしまいます。
そして、この炭素税・CO2賦課金はすべての企業が対象です。いやだ!といっても、あっちからきてしまうこのムーブメント。
なら「のるしかない!このビッグウェーブに!!」と早いうちに準備をしておくことがよさそうです。
この炭素税・CO2賦課金は、先のSDGsやESGといった環境配慮の流れをさらに一層強くしていくことの現れです。
炭素材やCO2賦課金については、今後詳しく書く予定ですので、くわしく知りたい!という方はすこしだけお待ちください。
というわけで、今日のコラムいきます(だいぶ長い導入ですみません)!
そもそも間伐材とは?
さて、間伐材についてまず振り返っていきます。
間伐は、林業など人の手で森を維持管理する工程の一つです。
林業をはじめ里山の森では、木の苗を植えてまっすぐ太く成長させていくために、元気でまっすぐ伸びていきそうな木を選び、森の土の栄養をその木に集中させるためにほかの木を切ってしまいます。
これが間伐です。
この間伐で発生した木材が間伐材です。
そして、なぜ間伐材が注目されているのか?といいますと、この林業の人の手がはいらなくなってきていて、日本の森が荒れてきていることがあるからです。
近年問題になっている森に住む生き物が東京などの都会に降りてきてしまうことなども、この間伐など林業による人の手が入らなくなることが原因のひとつと言われています。さらに、このまま放置してしまうと木々がよわくなっていき、少しの雨風で倒木が発生し山崩れ崖崩れなどが起きやすくもなります。
間伐材に限らずですが、林業による人の手を取り戻すことが大事です。
間伐材ノベルティのメリット
間伐材をノベルティグッズとしてつかうことにメリットの前に、間伐材を木製グッズやノベルティ(SP販促品)としてつかうことについて書いていきます。
間伐材を販促のノベルティとしてつかう目的は、先にあげた林業による人の手を取り戻すためです。
放置されて崩壊してしまう森の木を、ノベルティなどの木製品としてにつかうことで、失われつつある林業などによる人の手を取り戻すことができます。
このサイクルを取り戻すことで、日本の森の環境は守られて、街に降りてきてしまう生き物も減らすことができます。
そのため、間伐材をつかうことに近年注目が集まっています。
企業にとって間伐材をつかうことでどんなメリットがあるのかについて4つをまとめました。
間伐材をつかうことのメリット
1.環境貢献:間伐材は、森林の維持をはじめ生き物の保全につながるため、環境貢献が期待できます。
2.ブランド価値の向上:間伐材を使用することで、環境貢献のアピール、ブランド価値向上になると期待されています。
3.地域活性化:林業などの地域の産業の活性化になるので地方創生、地域経済の活性化に貢献することができます。
4.SDGsになる:間伐材を用いることは、SDGsのゴール「陸の豊かさも守ろう」に直結します。
つぎに、企業の取り組みについて触れていきます。
間伐材使用の事例
こちらではいろんな企業様の事例についてです。
事例
1.ローソン様カートンカンの取り扱い:ナチュラルローソンにて、間伐材や製材時にでる端材を積極的に活用し、国産材を30%使用しています。売り上げの一部で日本の森林育成に貢献しています。
2.日本マクドナルド様:国産木材使用店舗として鉄骨から木造にしたりなどで国産木材の使用を促進しています。
3.三菱地所様:国産材活用による持続可能な木材の利用推進としてCLTなどを用いた大規模建造物に間伐材など国産の木材の使用推進を行っています。
BtoCの規模では、梱包材やパッケージをはじめストローやスプーンなど、これまで化石資源系のものが多く使われていたもので、間伐材などの木材を利用したものへの置き換えが始まっています。
また、住宅だけでなく店舗などでも路面店の規模でも積極的な国産の木材使用が行われてきています。
さらに、大規模な大型ショッピングモールなどでの利用が進められています。
記憶に新しいものですと、東京オリンピックの新国立競技場で国産の間伐材などの木材を集めてスタジアムの装飾などに用いられました。
この流れが民間企業の建設にも受け継がれているといえそうです。
SDGs/ESGと間伐材ノベルティ
コラム担当なかの人の大好物ともいえるSDGsとの関わりについて書いていきます。
SDGsと間伐材の利用は、かなり広い範囲でかかわってくるのですが、特に大きいものでは「陸の豊かさも守ろう。」です。
森の木の環境を整えるだけでなく、森に住む生き物の多様性も守られます。
そして、木がしっかりと根を張ることで、森に降る雨をつかまえてくれるようになります。
豊かな水が木の根っこを通じて森のミネラルなどの栄養を含んで、湧き水となることで豊かな水の資源にもつながり海の豊かさにも貢献します。
他にもいろんな貢献がありますが、全てを書いているととても多くなるので、簡単にまとめたものを貼っておきます。
つぎに、ESGの観点からも、間伐材は重要な資源となります。
こちらは、脱炭素、カーボンニュートラルなものになりますが、例えばCO2排出が多い資材を用いて建物の立てている場合。国産の木材や間伐材に変えることで、建設にて発生するCO2発生量を抑えることができてGHG計算などに貢献できます。それだけでなく国産なので輸送などに関わるCO2発生量、カーボンフットプリントも、海外などからものを持ってくるよりも低く、低炭素社会に貢献できます。
では、間伐材のノベルティは?といいますと、次の炭素税との関わりにて詳しく書いていきます。
間伐材ノベルティと炭素税との関わり
では振り返りから始めますと、炭素税は2028年ごろに炭素税としてなのか、CO2排出賦課金としてなのか、はまだ未定ですが(おそらくCO2排出賦課金)はじまることはほぼ確実です。
排出・使用したCO2に応じて税金的な徴収がされますが、これに対しては再生自然エネルギーなどを用いた電力に切り替える。高効率な設備投資を行う。といった結構重くなりがちがものが中心です。
間伐材のノベルティが入りこむ余地はなさそうです。
ですが、現在集客や販促、イベントなどで配布しているノベルティグッズを木製のものに置き換えるだけでもこのCO2排出を減らすことができます。
先のサイクルにもあった、林業による人の手による森の維持管理が進めばグリーンカーボンと呼ばれる森の光合成によるCO2吸収の促進にもなります。
「小さいことを積み重ねる事が、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。」とイチロー選手の言葉にもありますが、コツコツとー重ねていくことが大事ですね。
ちなみに、弊社のアイテムは木の炭素固定の特性から、商品にすることで大気から削減されたCO2の量が一目でわかるようになっています。
詳しくはこちらから。
まとめ
これまでノベルティというといわゆるバラマキに用いることが多く、大量生産・大量配布をモデルにして丈夫で安価なものとしてプラスチック製品などの化石資源系の商品が好まれてきました。
ですが、プラスチック製品ではつくるだけでも、温室効果ガスがたくさん発生してしまいます。
近年、SDGsをはじめESGなど企業経営に環境への配慮が求められるようになってきています。
販促に用いるノベルティグッズもこれまでの大量生産・大量配布のモデルでは時代の変化に合わなくなりつつあります。
私たちのノベルティグッズは、つかうことで温室効果ガスの原因とされる二酸化炭素を木のなかに吸収固定されたエシカルなアイテムです。
光合成の自然の仕組みのみで、製造において大きな環境負荷もなく伝統的な加工のみで対応ができます。
この仕組みについては、小学生の理科で「光合成のはたらきで植物は、二酸化炭素を吸って、酸素を吐いてくれる。」と習ったことを覚えていると思います。
光合成では、木に吸収された二酸化炭素は炭素と酸素に分解されて、酸素は大気に吐き出されます。
このはたらきは、木などの植物は炭素を有機物として成長していくので、若い成長期の木のほうが、たくさん炭素を吸収して、酸素を吐き出してくれます。一方で、高齢の木になってくると、人が若い頃は平気だった脂ものがどんどん食べられなくなって、食が細くなるように、炭素の吸収量も減っていきます。
ある程度成長して、二酸化炭素の吸収量が落ちてきた木を用いてグッズにしてしまい、切ったあとで木の苗を植えて植樹を行うことでどんどん二酸化炭素を吸収しつづけることができる若く元気な森を増やすことができます。
一方で気になることは、二酸化炭素を吸収する若く元気な森を増やせても、木を切ったらそれまで木がとどめていた炭素が大気に出ていってしまって温暖化対策にならないのでは?ということです。
これも問題はありません。木にとどめられた炭素は、木を切ってもそのままとなります。
さらに、グッズに加工してもそのままです。
燃やしたり腐らせてしまうと二酸化炭素となってしまいますので、木を切ったら大切に使うことが大事になります。
なので、二酸化炭素の吸収量が落ちてきた木を切って若い木に植え替えることで二酸化炭素を吸収する元気な森を増やしつつ、切った木をノベルティグッズなどでつかうことで、木が吸収した炭素もそのまま減らし続けることができます。
SDGsやESGなどで取り上げられる気候変動の原因とされる温室効果ガス削減への具体的な対策となります。
SDGsやESGなどで取り上げられる気候変動の原因とされる温室効果ガス削減への具体的な対策となります。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。
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