
夏になれば、百貨店やショッピングセンターでは大きなセールが行われてきました。
私が子供のころから長く続いてきた、商業施設販促の“当たり前”いうなら業界の慣習とも言えました。
しかし、猛暑が常態化し、あまりの暑さで夏の日中にお出かけを控えるケースが増え、夏の過ごし方が変わり始めたいま、その当たり前にも見直しが求められています。
そして、夏セールの位置づけを見直す動きも出てきました。
引用:FNNプライムオンラインパルコの夏の大型セール「グランバザール」中止 気温上昇で夏物需要続くと判断 季節販売戦略を転換へ
パルコが夏の大型セールを見直したことは、単なる販促施策の変更ではありません。気候変動が、商業施設の販促カレンダーや来館理由そのものに影響し始めていることを示す、ひとつの象徴的な動きといえます。
夏の販促は、異常が正常に?気候から考えるSDGsノベルティ
2024年の記事では、猛暑に対応する夏の販促品や、木製ノベルティによる環境配慮の可能性について紹介しました。しかし2026年現在、変化はノベルティ単体にとどまりません。
パルコの夏セール見直しや、ショッピングセンターのクールシェア、館内ウォーキング企画のように、猛暑は商業施設の販促カレンダーそのものを変え始めています。
ということで、デパートやSCなど商業施設向けに、夏のセールに変わる時代に合ったあたらしい集客、来場施策になるような企画も、一緒に考えていきます。
書いていくのは、コラム担当なかのひと一号です。なお、どうしたらいいのかだけ知りたい。という方は、下記のリンク「夏休みイベントに使いやすい、体験型ノベルティ」この辺りからお読み下さい。
夏セールは、本当に終わったのか?
では、夏セールは本当に終わったのでしょうか。
結論からいえば、夏セールそのものがなくなるわけではありません。
夏の暑さがながく引かず、10月くらいまで続くなかで、夏休みセールをして夏商材の在庫を吐き出してしまうと、需要がある状態で安く販売してしまう。なら、セールをせずに需要が続くまでは置いておこう。という形です。
これまでのように「夏になれば大型セールを行い、それを集客の中心にする」という考え方は、少しずつ見直され始めています。
たとえば、パルコは2026年夏、約50年続いてきた大型セール「グランバザール」を中止すると報じられています。FNNプライムオンラインによると、気温上昇により夏物の販売期間が伸びるなか、大型セールを実施しなくても需要が見込めると判断したとされています。
なお、パルコは店舗ごとのセールや夏のイベントは実施する予定であり、すべてのセールをやめるというよりも、従来の季節に合わせた販売戦略を見直す動きといえます。
また、FASHIONSNAPでは、パルコが「従来のアパレルMDカレンダー時期に合わせた値引きセール」から脱却し、体験価値提供を軸に営業企画を構築していく方針だと報じられています。
夏セールが終わったというよりも、夏セールの役割が変わり始めているというステータス。でも、これから先の流れとしては、もう止められない。という認識でいるとよいのかもしれません。
夏セールに変わる、来館理由をどうつくる?
これまでの夏セールは、商業施設にとって「夏の来館理由」そのものでした。
しかし、猛暑が常態化し、夏物需要の期間が長くなり、生活者の外出行動も変わるなかで、値引きだけで人を呼ぶ販促には限界が見え始めているというのが社会や経済の変化になって来ています。
なので、これからの商業施設に求められるのは、単に安く買える場所になることではありません。暑い日でも行きたくなる場所、涼しい館内で過ごせる場所、親子で体験できる場所、学びや回遊が生まれる場所として、夏の来館理由をつくることが求められてきていて、ここをうまく作れる商業施設が、これからの夏を制していく形になっていくと思います。
セールは残るが、主役ではなくなる。
夏セールは、「終わった」のではなく、「セールだけに頼る夏販促が、終わり始めている」と考えるとちょうどいいのかなと思います。
そして、それは一時的なものではなく、継続的なトレンドとして定着していくと思われます。
値引きやセールは、これからも商業施設にとって重要な販促施策のひとつではあるので残るものの、あり方が変わる。という形でとらえておくとよいのかな、と。
そして、どういうあり方が変わる?といいますと、セールで来なくなってしまう人をいかにデパートやSCなど商業施設にいきたい。と思わせるかどうかへ、の変化になるのかなと考えています。
猛暑時代の販促は、「買う理由」より「行く理由」が重要になる
そんな猛暑が常態化する時代においては、「安いから行く」だけでは、来館の理由として弱くなっていく可能性があります。
この減ってしまう来場への意欲をほかでいかにおぎなっていくか。ここがつくれるかどうかになっていきます。
なお、すでに大手SCでは夏に館内をウォーキングなどでの利用を促進されたりしています。社会貢献的なアクションで、すべての人でなくとも一部かたがカフェ利用をされたり、夏服などを観る機会がふえてお買い物につながるなど、容易に想像ができます。
もちろんこれは、SCで開催されていることで、ブランドや集客が異なってくると、すべてのデパートなどで対応できるものでもありません。この夏セールに変わるなにか集客軸をつくることがこれからのデパート、百貨店、SCの夏に求められてくると思います。
夏セールに変わる来館理由に「親子イベント」を
あくまで、ここは一例として、個人的には、とくに注目したいのが、夏セールとほぼ同じ期間でふえる夏休み期間の親子需要になります。
夏休みは、子どもをどこかに連れていきたい一方で、猛暑のなかで屋外に長時間いることは難しくなっています。公園や屋外イベントも、時間帯や天候によっては参加しづらいケースが増えています。
その点、百貨店やショッピングセンターは、空調の効いた屋内で過ごせるという大きな強みがあります。
涼しい館内、ヒーローやキャラもののイベントなどがあると子どもが楽しめる。また、親も安心して過ごせる。夕飯の買い物や食事も一緒にできる。
このような条件がそろっている商業施設は、猛暑時代の夏休みにおいて、親子にとって非常に相性のよいお出かけ先になり得ます。
夏セールで減ってしまう夏集客を補いながら、親子で参加できるワークショップや館内イベント、スタンプラリー、ものづくり体験、自由研究につながる企画などが、来館理由としてより重要になっていくはずです。
「涼しい場所」から「体験できる場所」へ
とはいえ、すでに親子イベントやヒーローものやキャラもののイベントなどは進んでいますしそれでは、減った集客を増やすには至らなくない?という声もありそうです。
ヒーローショーやキャラものコラボは集客として強いですし、実際人気です。
ただ、毎回それが実行できるか?というと費用も準備もかかりがちになります。
できるだけ費用をかけずに継続して開催できて、それなりに集客の計算ができる。
そういう企画ができるかどうかだと思います。
涼しい館内で何を体験できるのか。どんな時間を過ごせるのか。家族や子供と、どんな思い出を持ち帰れるのか。
これまでのイベントものに加えて、そこにあまりなかった視点として、“夏休みだからこそ”をうまく使うことが求められそうです。
夏休みだからこそ、をうまくつかうとして、下記のようなことが考えられるかなと思っています。
こどもの自由研究を巻き込む SDGs教育の現状
夏休みの自由研究をうまく巻き込めると安定して来場が計算できます。
ただ、どうやって自由研究を巻き込むのか?が問題になります。
ちょっと手前味噌感がありますが、文部科学省では、持続可能な開発のための教育であるESDを推進しており、小学校・中学校の学習指導要領にも「持続可能な社会の創り手」を育てる考え方が盛り込まれています。
小学校3年生4年生くらいから、地域の水・電気・ガス、ごみ・下水、資源の有効利用、地域資源の保護・活用などを学びます。小学校5年生で国土の環境、森林資源の働き、自然災害の防止、公害、農業・水産業と自然環境などで木などにも触れていきます。
この辺りのいわゆるサステナブル教育をうまく使えるといいのかなと思っています。
夏休みイベントに使いやすい、体験型ノベルティ

例えばですが、上のような商品で夏休みの自由研究サポートを進めるなども面白いですね。(AIに作ってもらったので実際に作る時は、あらかじめ相談ください。)
夏休みの自由研究で使える形にするとして、環境・資源・リサイクル・食品ロス・エネルギー・地域学習系のテーマが、SDGs文脈で選ばれやすいといいます。
また、こどもたちにはものづくりが人気であるといいます。
引用:【2025年自由研究調査①】子どもの8割が前向き!人気テーマと進め方を分析/いこーよ総研ユーザーアンケート
この環境視点に、ものづくりを加えること、そしてSCやデパート内をまわったりして学びになる。そういう企画にできるとよさそうです。
さくっと、簡易的に考えると、例えばワークショップが開催できるスペースを無料開放して自由研究や夏休工作にお使いください。として、木の端材やボンドなどを設置しておいたり、キットを設置しておいてQRコードなどで購入していただいて、そこでものづくりができる。親はその間、買い物などをしているなども考えられます。
「配るノベルティ」ではなく「参加するノベルティ」へ
なお、私たちのグッズは、環境教育やサステナブルな文脈で子供たちの学びと体験につながると人気です。
親子お天気教室@ウェザーマップ國本未華様 間伐材ワークショップグッズ
中京テレビグループ様SDGsグッズ「ウッドグッドキット」 実績紹介
株式会社大之木ダイモ様実績紹介こどもワークショップ
木製ノベルティと地域のつながり、大東建託様 実績とサステナブルな事例
ネッツトヨタ富山株式会社様実績 木製スタンドがつなぐ、子どもたちと地域の未来
掲載可能なもので代表的なもので、これだけあります。
木製ノベルティは、夏休みの体験企画と相性がよい

夏休みの親子向けイベントでは、木製ノベルティとの相性も高いと考えられます。
理由は、大きく分けて三つあります。
ひとつめは、子どもが実際に手を動かして参加しやすいことです。
木製うちわ、木製キーホルダー、木製マグネット、木製カードなどは、絵を描いたり、色を塗ったり、名前を入れたりすることで、子ども自身が完成させる体験にできます。
ふたつめは、持ち帰ったあとも思い出として残りやすいことです。
紙のチラシや一時的な景品とは違い、自分で作ったものは家庭に持ち帰ったあとも残りやすくなります。夏休みの思い出として残るだけでなく、自由研究の一部としてまとめることもできます。
みっつめは、環境学習やサステナブルの文脈とつなげやすいことです。
国産材、間伐材、地域材、森林資源の活用といったテーマは、子どもたちが学校で学ぶ環境や資源、地域の学習とも接点があります。
そのため、木製ノベルティを使ったワークショップは、単なる工作イベントではなく、森や木材、資源の使い方を親子で考えるきっかけにもなります。
これは、夏休みの商業施設イベントにおいて、大きな価値になります。
館内回遊と組み合わせることで、販促効果を高める
体験型ノベルティを夏販促に活用する場合、単独のワークショップとして実施するだけでなく、館内回遊と組み合わせるとより相性がよさそうです。
たとえば、次のような流れが考えられます。
まず、館内の対象店舗やチェックポイントをめぐるスタンプラリーを実施します。

子どもはスタンプを集めながら館内を回り、保護者はその途中で店舗を見たり、買い物をしたり、カフェや飲食店を利用したりできます。
チェックポイントでは、施設で実施しているサステナブルな取り組みのクイズなどがあって学びになるだけでなく、サステナブルな訴求ができます。
そしてスタンプが集まったら、木製うちわや木製キーホルダー、ペンたてなどものづくりのワークショップに参加できます。
おすすめアイテム


そこで重さをはかって、つくった木のグッズに気候変動の原因の炭素(こどもむけには、もっとわかりやすくする必要はありますが)が固定されて、この大きな問題の解決にむけてちいさなひとつになる。小さいから無意味に見えるけど、みんなの力が集まるとこれくらい大きくできる。小さなものだから、大きくできる。という形で伝えていきます。
木をもっとたくさんつかって、若い木を植えることができていくとこの温暖化へのたすけになる。という学びを通じて、夏休みの自由研究につかえるように、そのSCやデパート、百貨店で企業の森などで実施している取り組みなどを紹介して、みんなの一歩はここにつながるよ。と小さな力が大きな力になることを見える化して、参加の実感を盛り上げていきます。
館内を歩いてもらう。
店舗を知ってもらう。
飲食や買い物の機会をつくる。
親子で滞在する時間を伸ばす。
持ち帰れる体験をつくる。
サステナブルな取り組みと接続
こどもたちの体験が広がる実感を作る。
複数の効果をひとつの企画にまとめることができます。
商業施設にとっては、来館者数だけでなく、滞在時間や館内回遊、店舗送客にもつながる販促施策として考えやすくなる可能性がぐっと高まります。
まとめ:夏セールは終わったのではなく、役割が変わり始めている
夏セールは、本当に終わったのでしょうか。
結論としては、夏セールそのものがなくなるわけではありません。
これからも、値引きやセールは百貨店やショッピングセンターにとって重要な販促施策のひとつであり続けるはずです。
しかし、猛暑が常態化し、夏物需要の期間が長くなり、生活者の外出行動も変わるなかで、これまでのように「夏になれば大型セールで集客する」という考え方は、少しずつ見直され始めています。
夏セールが終わったのではなく、夏セールの役割が変わり始めている。
そう捉える方が、今起きている変化に近いのではないでしょうか。
これからの商業施設に求められるのは、単に安く買える場所になることだけではありません。
暑い日でも行きたくなる場所。
涼しい館内で安心して過ごせる場所。
親子で体験できる場所。
館内を回遊したくなる場所。
学びや思い出を持ち帰れる場所。
そうした「夏にわざわざ行く理由」をどうつくるかが、猛暑時代の販促ではより重要になっていくはずです。
その意味で、夏休みの親子イベントや自由研究につながるワークショップ、SDGs・サステナブルをテーマにした体験型企画は、夏セールに代わる来館理由のひとつになり得ます。
ヒーローショーやキャラクターイベントのように大きな集客の山をつくる施策も重要です。
一方で、継続的に実施しやすく、親子の滞在や館内回遊、飲食・買い物につなげやすい体験型イベントも、これからの夏販促では重要な役割を担っていくと考えられます。
ノベルティも、ただ配るものではなく、参加してもらうもの、館内をめぐるきっかけになるもの、夏休みの思い出として持ち帰ってもらうものへと役割を広げていくことができます。
猛暑時代の商業施設販促は、売り切るためのセールから、過ごす理由をつくる販促へ。
夏セールのあり方が変わり始めたいま、百貨店やショッピングセンターには、価格だけではない来館理由づくりが求められているのではないでしょうか。















